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第22話 大賢者

「……そうだね。ここには、あいつらは来ない。俺たちは……助かったんだ」


「あいつら?」


「ああ……俺たち、エルフは、他の異人より多いだろ?」


「そうだね」


話が飛んだ。


「実は、故郷の世界が襲われて、逃げ出した人が一定数いる……俺達も、半数くらいはそうだ」


「襲われて……魔物?」


ダンジョンから出てきたのだろうか。


「いや。異世界人だ」


……更に別の世界から人がきて、襲ってきたという事かな。


「でも、レオ達は結構強いよね?それなりに戦えないのかな?」


エルフは、魔力が高い。

また、頭も良いので、研究所とかでも重用されている。

正直、人間よりスペック高い。

美男美女だし。


「ハネさん。異世界侵略の場合、防衛するより、攻める側が圧倒的に有利ですにゃ」


ん?


「一般的に、攻める方が不利なのでは?補給とか、地の利とか」


「同じ世界ならそうにゃ。異世界同士の場合、攻める側が世界移動しているので、攻める側にだけステータスに補正がかかるにゃ」


「あ」


……自分たちはγが高いダンジョン、敵はγが低いダンジョンの敵。

だと、戦闘は相当ぬるくなる。

そんな感じか。


「にゃあ。一般的な村人でも、相手の世界に行けば英雄のような強さになる事もあるにゃ」


「……確かに、攻められたら不利なんだな」


「……本来は、異世界侵略は禁止されていて……それを取り締まる機関もあったにゃ……でも、今はもう機能不全になっているので、異世界侵略はしたもの勝ちになってるにゃ」


謎の機関、ちゃんと仕事しろよ。


「詳しいんですね、ミアさん」


「にゃあ。一般教養にゃ」


ミアの世界の一般教養、か。

この地球よりだいぶ進んでたんだろうな。


「まあ、地球は取り敢えず狙われてないし……ただ、狙われたら危ないって事だな」


レベル上げれる内に上げておいた方が良さそうだ。


「……実際、異世界侵略が活発化しているのは確かだと思うにゃ」


「ミアさん。それは何故ですか?」


「レベルが上がりやすくなっている……世界の秩序が乱れているにゃ……争いが増えれば、秩序が乱れる……つまり、争いが増えているのにゃ」


「そうか?地球は平和だと思うけど」


「隣接世界の影響を受けてるんだと思うにゃ……つまり、隣接世界は今、酷い戦いが繰り広げられているという予想ができるにゃ」


「対岸の火事ではないという事か……」


それが異世界侵略であれば、地球に来る可能性は低くない。


「戦いが増えれば、レベルが上がりやすくなるのですか?確かに、最近レベルが上がりやすい……」


レオが腕を組みつつ、尋ねる。


「魔王がいる時代の方が、みんな強かったりするにゃ?魔王が倒されて数世代したら、子孫の力が劇的に下がってたりするにゃ。あれも、魔王がいる頃の方が戦いが多く、秩序が乱れていた為、レベルが上がりやすかったり、上位職を手に入れやすかったり……そんな現象が起きるからにゃ」


「それは……俺の故郷かも知れないな。逃げたのは一部だけで……殆どは、残って戦っていると思う……逃げ回っているの方が正しいと思うが」


レオは、目を伏せると、


「俺達の時は……まず、先遣隊の目撃情報が増えてきて……いっきに大群で攻めて来た。最初に放たれたのは、合成魔獣や自動機械だな。そして、大量の一般兵。力ある者達で対処しようとしたら……そこに、敵の英雄達が投入。ただでさえ強い英雄が、世界差のせいで大幅に強化されていて……悔しい事に、目ぼしい者は次々と殺された」


元から強い奴らが、γで強化されたら、そりゃ手が出ない。


「とにかく、先遣隊には気をつけてみるよ」


レオは、力強く言った。


--


「浮遊城ダンジョン……これはまた、見た目も派手だね」


戦乱の影響とやらで、周辺ダンジョンのレベルが上昇した。

その結果、本来であればあり得ないようなアーティファクトが、ダンジョンから産出されるようになっていた。

僕達も、レベル稼ぎから、アーティファクト集めにシフト。

ハイリスクハイリターンで、高レベルダンジョンの踏破を進めた。

結果。


僕 キャプテン Lv.43

龍二 ヴァリアント Lv.321

栗原 ワルキュリア Lv.316

模合 大賢者 Lv.298

ミア 大聖女 Lv.229

杏那 ライトファイター Lv.31,234


みんな、クラスチェンジを経て、大幅に能力がインフレしていた。

ちなみに、他のみんなのレベルが暴走しているのには、僕のPTスキルも影響していたりする。


装備も、チート武具ばかり。

これだけあれば、侵略者にも対抗できるのでは?


……侵略者側も相当なレベルだろうから無理かなあ。


ともかく。

ダンジョンの入り口に進むのに、浮雲を飛び移りながら進む必要がある。


「レビテート!」


模合の魔法が発動。

みんな、浮く。

はい、飛び移らなくて良いですね。


がばっ


雲から突如、ドラゴンが現れる。

クラウドドラゴン。


ひゅ


栗原が1薙ぎ。

あっさりと絶命、虚空へと落下する。

ああ、素材取れない。


ぎぎ


巨大なゴーレムが立ち塞がり、


ざん


龍二の攻撃で、あっさりゴーレムが両断される。


「……前衛が強すぎて、脅威が脅威と感じられないね」


思わずぼやく。


「元凶が、何を言ってるんですか?」


模合が半眼で突っ込む。

いや、キャプテンのステータス補正とか疲労軽減が役立っているのは知ってるけどね。

でも、僕自身は無力だから、どうしても寄生感が。


「一番空気なのは私だねー」


杏那が自虐的に言う。


「いやいや、だいぶ助けられているよ」


とは言え。

戦闘センスでどうにか活躍できているものの、素のスペックとしてはやはり低い。

ここは、杏那のクラスチェンジアイテムがある、とリアが算出したんだ。

なんとか、見つかってほしい。


……できれば、僕もクラスチェンジしたいんだけど。


[キャプテンは唯一職なので、より上位の職業はないですよ?]


唯一職って何。


[大聖女とかが超位職。その上ですね]


上かあ。

いや、PTスキルは凄いと思うんだけどね?

鑑定能力もかなり便利になったし、アイテムボックスは、複数空間に別れたり、合計したら城くらい大きかったり、チートだとは思うんだけどね?

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