第12話 新しい攻撃スキル
「ううう……強力なライバルを退けたと思ったら、強制負けイベントのラスボスがいましたにゃあ……」
「……何を言ってるか分からんが、日本のサブカルに馴染みすぎじゃないか?」
「にゃあ……時間の流れが違うダンジョンに行って、数ヶ月修行したにゃあ……」
「時間の流れが違うなんて、そんなダンジョン聞いたこと無いんだが……」
ちなみに、レベルは上がらなかったらしい。
謎空間。
文字を読めるアーティファクトと言い、リアのダンジョン探索能力は素晴らしいな。
……ふと思ったが、以前ハズレダンジョン、ミアと会った時のダンジョン。
あの時言ってた採取って、まさかミアの事じゃ……?
まさかな。
「リア、残りマナは幾らだ?」
『はい、1,000ptです』
「喋った!?」
杏那が驚く。
「アーティファクトだからな。で……かなり使ったな……」
魔石を変換しても良いんだが。
稼いでおくか。
「今日は魔力使ってないし、杏那とも合流したし。少しダンジョン試しておくか?」
赤字にならない程度の資源を確保したら戻ろう。
「いけるにゃ!」
「私は、お兄達みたいなレア職業でもないし、戦闘はかなり微妙だよー?」
「杏那は、ステータス自体は確かに低いが……戦闘のセンスがあるから、仮にうちの学園に入っても、そこそこ行くと思うぞ……流石に龍二達の様な化け物には敵わないけれど」
あいつらは別格。
今日も階層主をどつきまわしてたし。
「さて、行きますか」
3人で、リアに乗り込んだ。
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戦闘は、ミア任せ。
杏那は、俺を護るように、側にいる。
「聖なる剣よ!」
ざざざ
ゴブリンの群れが倒れる。
「ん……だいたい分かった。ミアちゃん、支援魔法頼んで良い?」
「はい?えっと……加護よ!」
ぼう
杏那に強化の魔法がかかる。
「ん……」
両手に剣を抜刀。
すたすたと歩いていく。
そして、魔物の群れと衝突。
うまく挑発、誘導。
「撃ち抜け!」
杏那がまとめた敵を、ミアが魔法で殲滅。
ミアの癖を把握、ミアが狙いやすい様な形で敵を固めていく。
「……戦いやすいにゃ」
ミアが呻く。
護衛としても優秀、前衛として敵をかき回し、後衛が攻撃しやすい様にまとめるのも優秀。
ステータスが足りなくても、活躍できる。
良い例だと思う。
持たざる者。
僕は、龍二達より、杏那に親近感を持つのだ。
……いや、格闘センス持っているから、僕とは違うんだけどね?
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「無事帰って来れたな。お疲れ様」
マナへの変換を済ませ、
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残マナ:1,000pt
消費マナ:1,000pt
冒険後残マナ:0pt
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獲得マナ:43,294pt
所持マナ:47,294pt
チャージ:37,294pt
チャージ後所持マナ:10,000pt
チャージ後残マナ:37,294pt
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搭乗可能を、+3人。
5,000pt、10,000pt、20,000pt。
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残マナ:2,294pt(↓7,712)
搭乗可能:6名(↑ 3)
倉庫:レベル1
座席:レベル1
設備:レベル2
燃費:レベル1
速度:レベル1
自己防衛:レベル∞
最大航行可能距離:
α:999
β:999
γ:999
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これで龍二達も乗れるな。
レベルアップは、2レベル。
10レベルか。
「ん……レベルアップで得たのは……援護射撃?」
『空間を繋げ、私の主砲で敵を攻撃できるスキルですね』
おお!
まさかの攻撃スキル。
『契約している船の攻撃能力に依存します』
……自己防衛∞が日の目を見るのか!?
『いえ、それはあくまで、私のイージスフィールド……絶対防御結界のせいですね。攻撃自体はかなりアレです』
「……アレかあ……」
『拳銃程度の一撃、マシンガンでの連射、砲丸の射出、フラッシュ、光と音の共宴、くらいですね』
「最後のは?」
『やたらと派手なので、敵がびっくりします』
威嚇手段か。
というか、一般人相手ならともかく、ダンジョンでは役立たない威力だな……
消費魔力もばかにならないし。
……フェイントとかに奥の手で使う程度か。
「私は、4レベル上がりましたにゃ。10レベルにゃ」
ますます強く。
「え……レベルが93上がったんだけど……?」
ぶっ
「104レベル……?」
杏那が困惑した様に言う。
うん……困惑するよね、そりゃ。
学園生の最高レベルを余裕で抜き去ったな。