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里の朝〜里の少年 俺と僕

※スタートダッシュで今日は本編と解説編を更新します!

※タイトル修正しました


いよいよ転生先での生活が始まります!

まずは俺が僕を理解するところから…

「チュンチュン…チチチ…」


窓から差し込む朝陽を顔に受け

()()ゆっくりと目を覚ました

穏やかな朝陽と美しい鳥のさえずりで

優しく起こされるいつもと変わらない朝

でも、いつもとは違うことも()()理解していた


正しくはいつもと違うと認識しているのは()()()


女神様のいた謎の空間で意識が遠のいた後

気がついたら、見たこともない部屋で朝を迎えていた


頭の中では

タカシとしての記憶、意識が支配しているのだが

同時に転生先のノワールの記憶も存在し

人格の方も

タカシをベースにノワールも混ざっているようで

少し()()混乱していた


ノワールの記憶だと

この後里の友人が朝ごはんに誘いに来るはずだが

まだ時間があるので少し頭の中を整理しよう


新しい転生先である俺の名前はノワール

歳は11歳になったばかりの少年

両親はいない

この里の里長(さとおさ)に拾われ育てられている

住んでいるのは里にある寄宿舎であり

他にいる親元を離れてきた少年・少女達と

生活を共にしている


ノワールは物静かで、いつもニコニコして

みんなに面倒を見てもらう末っ子キャラ

目立つでもなく、でもいじめられることもなく

みんなの後ろにそっとついていくタイプのようだ


…うん、前世と変わらないぞ


これはキャラを作る必要もなく

自然と振る舞っていけば

違和感なく出来そうだから楽なんだけど


…ちょっと期待ハズレかな


こういうのって

前世と全く正反対の性格に転生して

時々前世の性格がポロッと出ちゃったりして

転生がバレそうになって慌てて取り繕って

でも、勘の良い奴がいて

チョイチョイ鋭いツッコミを入れられて

冷汗ダラダラになってとうとうバレるかってときに

全てを理解している大人が出てきて

上手く窮地を脱して

そこで大事な話をされて

本当の使命に気がつく…


的な流れとか期待してたんですけど…


何か普通に適応できてしまいそう

転生デビューで何かキャラつけてみる?

オラオラ系とかクールビューティ系とか

あ、俺男の子だった


まあ、でもいきなり慣れないことして

立場を悪くしても仕方ないから

普通にいきますか


それともう一つ

これも前世と変わらないことが


それは


この世界でも俺はやっぱりダメな子でした!


この世界は

科学の代わりに魔法が発達した世界


魔法をいかに上手に扱えるかで

身分の上下、生活の豊かさが決まるらしい


そして俺はというと


初級魔法すらうまく扱えない

落第寸前のダメな子みたい


…いきなりテンション下がるな、これ


転生したぜ、ウェーイってやりたかったのにな

ちょっとは期待したんだけどなぁ

何か一つだけ誰にも負けないすごい才能があるとか


残念ながら満遍なく才能がないらしいです、はい


この世界では魔法の使い方は2種類あるらしく


一つは魔道具と呼ばれる道具を使うやり方


もう一つは魔道具無しで直接魔法を出すやり方


普通の人は直接魔法は扱えないので

魔道具を使うやり方しかできないけど


貴族の人や、修行を積んだ人たちは

魔道具無しでも魔法が使える


たまに突然変異で貴族でもないのに

生まれながらにして

直接魔法が使えちゃう人もいるみたい

何かカッコイイ!


で、俺はというと


貴族でもなければ、突然変異でもなく

魔道具が無ければ魔法が使えない一般人


しかもその扱いが超絶ヘタクソ


…あぁ、まるでいいトコなし!


だからあのとき、女神様は目をそらしたんだな

俺が転生への期待を口にしたとき


()()()()()()()()()()()とか言ってたのに

あまり前世と変わりないけど

どういう意味だったんだろう?


俺自身はあまり前世と変わり映えしないけど

俺の周りの世界は全然違うから

まあ、その辺を楽しみなさいってことかな?


そんなことを考えていると

部屋の扉がノックもなしに勢いよく開いた


「おはよう!ノワール!朝ごはんの時間だよ!」


「!!うん、ありがとう、すぐいくよ!」


いきなりでびっくりしたけど

いつも元気な友と一緒に

()()()()()()()()()()()()()

いつもと変わらない朝を迎えていたのだった


次は少し住んでいる里のことを理解します


気に入っていただけたら、ブックマークをお願いします!


本編で書ききれない設定や用語の解説も

本編に合わせて更新しています(毎週土曜日更新)

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