いつもと変わらない日常
新年明けましておめでとうございます!
2020年の幕開けと共に連載小説始めます!
しばらくは毎日1話更新で頑張っていきます。
序盤はノンビリしたお話が続きます。
お暇なとき、ちょっと空き時間に読んでもらえる
気軽な小説目指して頑張りますので、
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(2020.1.1)
「ただいま…」
「………」
当然返事など返ってくるはずのない
虚空のワンルームの我が根城に
それでもいつものように言葉を投げかける
ここは賑やかな首都の都心から少し離れた
郊外のお手頃なワンルームマンション
就職を機に会社に近いこの場所に
思いっきり親のスネをかじって住んでいる
今は1人暮らし…といっても
これから住人が増えそうな気配は皆無ですが…
そもそも
この部屋に過去10年足を踏み入れたことがあるのは
悪友のゲーム仲間のマサルとクルミ
…この2人は
落ちこぼれ大学生の俺を
からかっているうちに情が移ったみたいで
気がつけば卒業後もなんやかんやと遊びつづけてる
といっても
基本はからかいたいのと
ゲームで俺をコテンパンにやっつけて
ストレス解消するのが目的っぽいけど…
そういえば、明日も来るって言ってたっけ?
あと、この部屋に侵入してくるのは
生存確認にくる
エリートなレン兄さんとサラ姉さんくらいか
2人のエリート兄&姉は俺とは違い
良家の出である両親の血を引くことを
その人生の歩みでしっかりと示している
兄のレンは
国内一の大学を主席で卒業したあと、国家機関に入省
世界各国を飛び回る外交官として活躍後
内勤で役職につき組織のトップである事務次官も
視野に入ってきたとか何とか
月に1回は様子を見に来てご飯を奢ってくれる
姉のサラは
研究肌で、高校卒業後に海外の大学に進学
そのまま海外の研究機関で研究を続けており
数年後にはノーベル賞級の研究成果を挙げるのではと
世界に注目されているとか
年末年始に1回
海外のお土産と共に様子を見に来てくれる
さて、そんな優秀な兄&姉を持つ
末っ子の俺ータカシはと言えば…
学業は赤点を何とか回避するのが精一杯で
下から数えた方が早い
運動はどうすればそうなるのか
誰にも分からない謎の動きで
みんなを癒しているセンスも身体能力も無し
…はい、ダメな子なんです
そのくせ
変に頑固で正義感が強いものだから
いらんこと言って周りの空気を悪くすること数多…
というわけで
落ちこぼれで周りから一歩引かれながら
孤独を愛する存在として生きてきているわけです
ただ、唯一の救いは
天性の末っ子気質かいじめられるまではいかず
何となくクラスの愛すべきアホな子ポジで
済んできてるのは助かる限りです…
両親は健在だが
就職の報告をして以来、10年実家には帰ってない
都内の私立大学にギリギリ引っかかり
何とか4年で卒業
あまり聞いたことない
何を売ってるのかよくわからない小さな会社で
経理を担当している俺は
兄さんたちとの余りの格差に
実家の敷居を跨ぐことが出来ないまま
出世もなく
このままあと何年
この会社と部屋の往復生活を続けていくのかなと
漠然と考えることが最近多くなってきた
でも、ま、いっか
ゲーム仲間と休日に
ゲームして過ごす日々もそう悪くないしね
落ちこぼれで冴えないとはいえ
こうして毎日ご飯は食べていけるし
暖かい布団で寝れているし
仕事もどうにかクビにはならずにやれているし
こんな変わり映えのない生活も悪くない
だけど
もっと刺激的な毎日を過ごしてみたい気もする
それこそ
生まれ変わったら全く違う生活が待っていて
そこでは何でも簡単にこなしてしまい
どんな困難もあっさり乗り越えてしまう
スゲー奴になっていて
…何か虚しいから考えるをやめよ
そう呟いて
帰りに買ってきたコンビニ弁当と缶ビールを開け
いつもと変わらない日常を過ごすのであった
そう、いつもと変わらないはずの日常を…
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