坂道のブルー
あの角を曲がれば
現れる下り坂
朗らかに海へと続くから
傷んだガードレール越しの
水平線
追いかけて追いかけて
走りだした
額を露にする
向かい風
トルマリンのようなブルー
見つめる先の景色が
ゴールなんかじゃなくても
そうせずにはいられない
滲んだ汗が流れていく
熱を孕んだ日射しが
揺れる木々に掻き乱れて
遠くに見える
混沌とした藍
静かな沖で
白波は立つ
衝動はいつも
切なさを帯びて
会いたいは泣きたい
近づいて近づいて
遠退く水平線
抱き止めてよ、って
ここから
手を伸ばすことに
意味なんてなくても
転がるように
駆け下りていく
声の結び目をほどいて
影を解き放って
素肌から
潮風に透き通る
アクアマリンのようなブルー
ねぇ、信じなくてもいいよ
貫くより本当は
どこまでも
広がっていきたい