④〜転生してから〜
転生してからこの世界の知識を得るアシュリー、
そんな世界に心躍らせていた──。
「あ・な・た♡気をつけて行ってらっしゃい!」
「おう!いってくるよ♡」
「ほ〜らっ、アシュリーもパパにバイバーイってしましょ?」
「バー!」
どうやら風の噂によると両親がイチャつくとこの街の温度は2、3度あがるらしい…。
今日も今日とて暖かくなるだろう。
転生してから2年──
「ブゥ〜…」
(漢字がなかったのは助かりだったなぁ…。おかげでやっと言葉は理解した。喋れないけど)
アシュリーは分厚い魔法に関する本を読んでいた。その本には魔法の発動原理と精霊との契約の仕方までもが事細かく記載されている。
「バ〜ッ」
(魔術の発動にかんするページは〜っと)
アシュリーは魔術の発動に関してのページを開くとそこには上から下までビッシリとこの世界の文字が並んでいた。
「ブッ」
(うわっ)
その分厚い本にはこう書いてあった。
──魔術の発動原理をここに書す。
人は必ずしも小さからず魔術の根源の魔力を持ち合わせている。そして、魔力は己の心の強弱に反応する。もし己に身に余る魔力を手に入れてしまうと暴走する可能性がある。
それ故に───バタンッ
(よし!なるほど!理解した!)
アシュリーは満面の笑みを浮かべ続きがあるのにもかかわらず分厚い本を閉じた。
「バァ…」
(細かい字ばっかりなんか読んでられるか…)
そう思いながらアシュリーは契約に関するページを手際よく開いた。
(あ、片方のページに陣が書いてある)
契約に関するページに片方には必要なものと契約の手順に精霊の召喚呪文が書いてあった。
──精霊との契約方法はまず魔法の陣を描き、そして己の血が少量が必要である。そして、契約に応じた精霊は己の戦闘法に合わせた武器に変化する。呪文は……。
《我の血の元 召喚に応じ 契約せよ》──
「ぶぅ……」
(自分の手じゃ描けないし、どこ描いてるのかもわからなくなるなぁ……)
そう思いながら分厚い本をペラペラとめくると様々な魔法の呪文が書かれていた。
《フロート・スカイ》
物を浮かせたり飛ばす魔法
《サード・アイ》
罠を見抜いたり、心理を見抜く魔法
などの呪文とその呪文の効果がずらりと並んでいた。
「バ!」
(この浮かせる魔法とか今できそう!)
そう考え、アシュリーは浮かせそうなものはないかと部屋の中をキョロキョロと見渡していた。
(あっ!)
アシュリーは壁に立てかけてある母が使うホウキを見つけた。
(魔法といえばホウキのイメージ!!)
そう思いホウキに手のひらを向け呪文を唱え始めた。
(《フロート・スカイ》!)
投稿が遅れてしまいました…
皆様に読んでいただけるだけで幸せです!
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嬉しいです!