③〜新しき世界〜
少女、雪海が光に包まれ目覚めた先とは──
──?
(女神様の白い光に包まれたけど何も変わってない…。どゆこと?)
まぶしかった視界は突如暗くなり、そして2つの声が聞こえ始めた。
「あらっ、目を覚ましたみたいね」
「お、起きたか」
視界には色が広がり、木で組まれている天井が瞳には映っていた。そして、視線を少しずらすとこちらを覗くガッシリとした体型の男性と、優しい笑顔を浮かべている女性がいた。
(この2人…誰だ?)
少し疑問に思ったがすぐに誰かもわかり、なぜ2人が覗いていたのかもよく理解した。
「ほ〜ら、パパとママでちゅよ〜!」
すると、雪海は男性の目線と同じ位置に首に手を当てられ持ち上げられた。雪海が眼を動かすと窓ガラスには生まれたばかりと思われる赤ん坊の姿が映っている。
(え、まさか…)
手を動かすと窓ガラスに映った赤ん坊も同じ動作をした。
(赤ん坊になってる?!)
「パ〜パっ。ご飯の用意できたからアシュリーもコッチにいらっしゃ〜い」
「お〜う!ママがご飯の用意できたから行こうな〜アシュリー?」
雪海……改めアシュリーはパパに抱きかかえられて食卓に向かった。
──転生してからわかったことはあった。
1つ.私の名前は【アシュリー・エレミナル】
母は【マリーン】。父は【ドゥーザ】
ということ
2つ.母は専業主婦で、父は魔法学校の教師
であること
3つ.この世界は魔法があり、ほとんどの人が
使えるということ
4つ.この世界の生活や住居は洋風でできていて
コンクリート製の建物はないこと
…ということがわかった。
さらに言えば自分はまだ赤ん坊というところだろうか──。
(喋れないのは不便だなぁ…。でも、この世界に転生させてくれてありがとう女神様っ)
そんなことを考えてはいる反面、幸せの方をとても強く感じていた。
その頃、生と死の狭間では──
「よろしかったのですか?」
「ん〜?何が?」
側近であるメガネの天使はアシュリーのことに疑問に思っていたため。その疑問を問いかけた。
「彼女のことですよ」
「あぁ、ん〜。あの子はねぇ、元魔王であり人の痛みがわかる人だからだよ。だから尚更さ」
「それはあの世界を変えられるということですか?」
「ど〜だろ〜ね〜」
「えぇーー!」
天使は「なんでそんな自分勝手なんですか?!」と言いながら歩く女神の周りを飛んでいた。
一方の女神は、明後日の方を見ながら
笑っていた──。
第3章を読んでいただきありがとうございます!
第4章も作成しておりますので
読んでいただければとおもいます!!