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第80話 コローナ海軍カレー本舗

 

「ここか......」

「ここッスね」


 コローナ中央駅前から歩いて1分、俺たちは噂の海軍カレー専門店へとやってきていた。


「あぁーこの感じ懐かしい〜! 横須賀にいた頃を思い出しますよ!」

「ヨコ......スカ? オオミナト......どこなんだそれは」

「私の生まれた日本にあるカレー発祥の地ですよ、ちょうどこんな感じで海軍カレーのお店がいっぱいあったんです」

「どれくらいあるんッスか?」

「正確には数えてないですけど、街中の喫茶店や居酒屋、レストランがほぼ全部カレーを扱ってました」


 なんというカレー先進国......!

 日本とかいう国はとことん食事にこだわるとオオミナトに以前聞いたし、おそらくは味も向こうの方が上なのだろう。


 だが......!


「せっかくアルト・ストラトスに来たんだ、ここのカレーにしかない味もあるだろう。是非とも食べ比べてみてくれ」

「ヨコスカのカレーに負けたくないんッスか?」

「当たり前だろ、日本人のこだわりがどれほどかは知らんが、俺たちアルト・ストラトス人にも意地がある。絶対に負けられん!」

「愛国心があって関心するッスよ、じゃあ中入っちゃいましょ」


 なんだろうか、少しスルーされた気もするが......まあいい。

 とりあえず俺たちは店の2階へ上がった。


「いらっしゃいませ、何名様でしょうか?」

「3人です」

「あー......申し訳ございません、当店ただいま満席でして。相席でよろしければすぐにでも」


 相席か......。

 俺は別に構わないが、セリカやオオミナト、何より元々座ってた人に悪いな。


 とりあえずここは一旦出直して――――――


「あっ、ミサキじゃない! 久しぶりー!」

「ん?」


 奥の席から聞こえてきた声は覚えがあった。

 見れば、たおやかそうな薄い金髪の少女が1人席に座っていたのだ。


「フィオーレ!? 久しぶりじゃない! どうしてここに!?」


 駆け寄るオオミナト。

 フィオーレ......記憶が確かなら、冒険者クロム・グリーンフィールドの騒動の時いたオオミナトのペアだった冒険者だ。


 クロムにワイン瓶で頭を殴られてなお引かなかった、生粋の仲間想いである。


「元気にしてた? 聞いたわよミサキ、ロンドニアで魔王軍と戦ったらしいじゃない。大丈夫? 怪我とかしてない?」

「だっ、大丈夫。このとおり無傷だから――――――いったあ!?」


 何ごとかと思いきや、フィオーレがオオミナトのお腹を軽くつねったらしい。


「なっ、いきなりなにすんのよフィオーレ!?」

「お腹にアザができてる。全然無傷じゃないじゃない」


 さすがにペアだけあって見逃さないか......。

 俺は2人の間に割って入った。


「すまないフィオーレさん、こいつは本隊おれたちが来るまで1人で敵の最高幹部と戦ってくれたんだ。彼女がいなきゃロンドニアは本気で危なかった」


 あの戦いで負ったオオミナトのダメージは少なくなく、1週間ほどは医務室で安静。

 腹部へのダメージで消化能力も落ちていたので、食事もしばらくおかゆ続きだったのだ。


「戦闘後は数日ウチで安静にしててもらって、復帰もできたのでここへ食事に来たってわけだ。心配かけてすまなかった」

「フーン、まぁミサキもその戦闘でちょっとはレベルアップしたみたいだし、わたしからはこれ以上なにも言わないでおくわ」

「助かる」


 オオミナトは現在レーヴァテイン大隊が預かっている。

 ここで冒険者、それもペアからの突き上げをくらうのは避けたい。


「一旦戦闘は落ち着いたんでしょ? ならせっかくなんだし一緒に食べましょ、最近王都で話題になってる奇妙な噂のこととか交えてさ」


 フィオーレはニコリと微笑み、テーブルを開けてくれた。


誤字報告機能というものが追加されたらしいですので、お気軽にお触りください(≧∇≦)/


あと、また新たにセリカのFAを頂いたので6話の該当シーンに挿入しております!

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