表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済み】外れスキルの不遇魔導士、ゴミ紋章が王国軍ではまさかのチート能力扱いだった〜国営パーティーの魔王攻略記〜  作者: たにどおり@漫画原作
【番外・新大陸編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

371/380

25・超戦艦の艦砲射撃

 

「前部甲板作業員は至急退避せよっ!! 繰り返す、作業員はただちに退避!!」


「艦長より通達!! これより艦対地制圧射撃を開始する!! 前部砲門開けっ!!」


 超戦艦グリフィス艦上に、けたたましいサイレンが響き渡った。

 王国が国力の粋をかけて建造したこのこのグリフィス級は、世界最大の46センチ3連装主砲を搭載している。


 地球から転移した元横須賀、佐世保海軍工廠の技術者が中心になり、設計から建造までを行った。

 1940年代、地球の大日本帝国海軍において運用されていた大和、武蔵からはさらに改良が進められている。


 空調や魔導設備の強化、一部対空砲をミサイルシステムへ換装。

 さらには後部カタパルトを、V-1ミサイル発射台へ改造していた。


「砲術長、前部主砲2基を用いての“斉射だ」


「了解、こちら既に諸元調整完了しています」


「結構、ただちに攻撃準備! 後部甲板はレーヴァテインの射出を急がせろ」


 前部主砲が右へ旋回––––陸上までの距離は、安全マージンを考慮して23キロ。

 これは、艦橋から伺える水平線までの距離である。


「艦長……島の迎撃設備は魔導砲、および旧式のロケット砲と思われます。射程はどれも10キロに届きません」


「よろしい、5型特殊砲弾装填! 最終調整!!」


 島の迎撃設備が火を吹いた。

 グリフィスの前方15キロで、水柱が上がっているも届く気配はない。


 これは世界の命運を決する砲撃だ、チンケな模造品で抗うことがいかに愚かか、連中に思い知らせてやろう。

 国家が有する最強の組織––––国営パーティーの一撃をもって、神の復活を阻止する。


「グリフィス、攻撃始めッ!!!」


 海面が大きくへこんだ。

 太陽を思わせる発砲炎と、圧倒的な衝撃波からなる爆音が轟いた。


 発射された46センチ砲弾は、放物線を描いて島の沿岸部へ着弾。


「今っ!!!」


 巨大な火球が海賊島に膨れ上がる。

 発砲時に負けない衝撃と熱が、陣地の砲台を薙ぎ払う。

 あまりの破壊力に、まるで小型の核兵器が落ちたようだった。


「特殊砲弾の起爆確認、作動良好です!」


「初めて撃ったが……燃料気化弾がここまでの威力だとは!」


 5型特殊砲弾とは、王国が配備する最新の兵器––––名を“サーモバリック砲弾”。

 気化燃料を用いた蒸気雲爆発による大規模攻撃で、通常弾頭を遥かに上回る破壊力を持つ。


 魔王大戦時から研究されており、実用化に漕ぎ着けたのはつい最近の話だ。


「次弾、修正諸元に従って発射せよ!!」


 再びの発射。

 ハイペースで叩き込まれるサーモバリック砲弾によって、島は地獄の様相を呈していた。


 通常の爆裂魔法を上回る攻撃が、数十発と落ちてくるのだ。

 とても耐えられるものではない……。


「最終弾、弾着––––––今ッ!!」


 城に近い森へ砲弾が落下。

 ジャングルは燃やし尽くされ、トーチカですら跡形もない。


 46センチ・サーモバリック砲弾は、島に展開していた海賊のおよそ8割を殲滅してしまった。


「島の対空および対艦装備、漸減(ぜんげん)を確認っ!!」


「今だ!! 後部甲板作業員へ連絡!! V-1ミサイル発射! 世界へ対する叛逆の剣を撃ち込めッ!!」


「了解!! レーヴァテイン大隊––––射出します!!」


 後部レールから、3発のV-1が発射された。

 特殊なパルスエンジン音と共に、レーヴァテイン大隊3名が島へ突っ込んでいく。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] V-1で特攻させられる特殊部隊……。 いつかこの移動方法を基軸にした専門の部隊が編成させられそうですねぇ。 募集したらヤバい奴ばかりが集まりそうw
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ