【予告】国営パーティー番外新章 『新大陸編』
半年ぶり投稿、やっぱり私はこの世界が大好きなんだと思います
勇者率いる王国特殊作戦部隊––––レーヴァテイン大隊によって、全ての黒幕であった女神アルナが殺された。
信仰をもって並行世界すら支配しようとした邪神は消え、同時に勇者も誕生することはなくなったのだ。
しかし、これで世界が真の平和を手に入れたということではない。
否......それは新たな火種を世界へばら撒いていた。
「わたしの全てだった勇者を否定しやがって!! エルド・フォルティス......! ジーク・ラインメタル! お前らだけは、お前らだけは絶対に許さないッ!!」
俺は世界のために任務をこなした、それは今でも間違いではなかったと信じている。
けれど、終結した第二次魔王大戦は、多くの人間を救い......また多くの人間を不幸にした。
「我らの正義は誰かの悪だ。けれどニ極で真理は語れない。そうだろうエルドくん?」
憎しみの連鎖は、女神を手にかけた瞬間から始まっていたのだ。
「バイタルパートに被弾ッ!! ダメージコントロール!!」
「構うなっ! 対水上戦闘! 砲打撃戦用意!! 46センチ砲の破壊力をヤツらに見せてやれッ!!!」
ならば再び火を灯そう。燦然たる戦火の灯火をもって、連中に見せつけてやろう。
俺は成すべきことを成すだけだ、必要が必要であるために。
「貴方の恋人は、わたしにしか務まらないんッスよ」
俺は世界と国のために戦った。
だから今度は、自分のために戦おうと思う。
それが全てを失う大博打だとしてもだ!
「使用した後に“必ずぶっ壊す”こと......それがわたしたち魔王軍の協力する条件、呑めるかしら? エルド・フォルティス少尉」
温室育ちの新大陸人に、血と硝煙で研がれたレーヴァテインの剣を思い知らせてやろう。