表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

310/380

第310話 ニューゲート開通

 

 ――――ユグドラシル頂上部。


「遂にこの時が来ましたね、アルナ様」


 世界樹の頂点――――蒼天から地上を見下ろすこの場所で、女神アルナは掛けられた声に振り向いた。


「リーリスか、無事に来れたようだな」


 立っていたのは、心臓部分に穴を開けた金髪の天使――――リーリス・ラインメタルだった。

 彼女の顔は幸せに満ちており、ようやく叶う野望に胸を膨らませていた。


「とうとうアルナ様が、全ての世界線の神になられるのですね」

「ここまでよく頑張ってくれた。心臓を抜き取ってしまって悪かったな。痛むか?」

「わたしがアルナ様に忠誠を誓ってから、この肉体は全て貴方のものです。痛みなど......些細なものです」


 跪いたリーリスは、顔を上げた。


「さぁ! 世界樹は復活しました! 儀式の最終段階へ移りましょう!」

「うむ、ではそうしようか。ホムンクルスの準備は?」

「吸血鬼と異世界人の手により相当数が倒されましたが、儀式執行に問題はありません」

「なら......始めよう!」


 女神アルナの瞳が、金色に強く輝いた。

 上空の魔法陣も呼応して点滅する。


「世界樹とは......点在する全ての世界の根幹たる存在、枝葉に寄り添う世界へのアクセス権は......今、この私にある!」


 魔法陣の色が金色に染まる。

 主人がこの世の理を破壊する様子を、リーリス・ラインメタルはジッと見つめていた。


「まずはこの世界に最も近い世界を繋げる! 異世界人がやってくるだけの歪みがあれば、十分可能! さぁニューゲートよ......開通せよっ!!」


 地震と共に、上空の魔法陣ニューゲートがゆっくりと色を変えていく。

 さながらそれは、別世界を映す"窓"のようだった。


「リーリス!! ロックを!」

「はっ!!」


 魔都に埋もれていた第2世代ホムンクルスたちが、次々とユグドラシルの頂点まで引き上げられ――――


「勇者の代替品よ......、この世界と――――遥か遠い世界......地球を繋げ、空間座標をロックせよ!!」


 天使の操作で、ホムンクルスたちが魔法陣の周囲に張り付いた。

 やがてそれらは円陣となり、周囲をゆっくり回転する。


「ホムンクルスの製造はこの日この時のため、ウォストピアの亜人勇者の魂を使い、世界と世界のハシゴとして機能させる。これこそが"第3世代ホムンクルス"だ!」


 天空に雷鳴が轟くと同時に、ニューゲートは空ではない全く別の景色を映し出した。

 巨大な窓の外から見えるのは、見たこともないくらい発展した都市。


 名を――――――日本国首都『東京』だった。


「さぁ頂こうか地球人、貴様らの、貴様らの崇める神への信仰を。全て奪い尽くしてやる!!」


 ――――ゴーン......ゴーン――――!


 歩行するネロスフィアを中心に、世界中へ鐘の音が広がった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] そうですね戦いは数だ! 無宗教気味なのに寺、神社、神殿、信仰の種類はコンビニより多い国にようこそ! マジで時代と宗教傾向を調べてこいや!同時に複数や外国の神もガチで信仰してる人もいる何…
[良い点] あえて  戦いは数だよ兄貴 八百万の神々  狐も狸も狼もいるからね
[気になる点] ええっ!?マサカドサマに喧嘩を売る女神様だって!?(破滅フラグ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ