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第294話 VSオルフォート&魔導ガトリングガン

非常に親切な有志の方にお手伝い頂き、ほぼ全ての修正作業が完了しました。

本当にありがとうございましたm(_ _)m

 

「弾幕こそ正義! 弾幕こそ至高! 弾幕に勝るものはなしッ!!!! 速射連射乱射掃射ヒャッハー!!」


 ラインメタル少佐が魔王ペンデュラムと交戦を開始した頃、市街地エリアでは吸血鬼エルミナとアルミナが、魔導ガトリングガンで武装したオルフォート将軍と戦っていた。


 屋根上から撃ち下ろされる魔導弾のシャワーは、洒落にならない威力を誇っていた。

 隠れようとすれば、家の外壁ごと削り飛ばされるのでなかなか接近できない状態だった。


「ちょっとオルフォート! そこどきなさい! っつかなんてもん振り回してんのよ!!」

「ハッハッハぁ! どけと言われて退くほどこのオルフォート、落ちぶれてなどおらん!!」

「あったまきた! お姉ちゃんカバー!」


 遮蔽物の影から屋根上に飛び出したエルミナが、オルフォート将軍を見据える。


「『グラキエース・フレシェットランス』!!」


 妹を掩護するため、一瞬だけ顔を出したアルミナが氷槍を飛ばす。


「ウルアァっ!!」


 ――――ブヴヴヴゥゥヴヴヴヴンッ――――!!!!


 重たい魔導ガトリングガンを指向したオルフォートは、氷槍をあっという間に弾幕で粉砕した。


「くだらんくだらんくだらん!! この武器を前に小細工が通ずると思うなぁ!!」

「でも向ける方向は限られてるでしょ! 側面がガラ空きよ!!」


 オルフォートが氷槍迎撃のため横を向いた隙に、エルミナが肉薄を試みる。

 だが――――――


「これで終わ――――――ッ!?」


 エルミナの体が勢いそのままに、宙へ浮いた。


「あっ.......!?」


 それは言葉にするならば、"転倒"だった。

 盛大につまずいた彼女は、激しく屋根の上を転がってしまう。

 この土壇場でオッチョコチョイ過ぎる妹に、アルミナは水色の髪に包まれた頭を思わず抱えた。


「ちょ! タンマ......あだだだだだだい!!?」


 オルフォート将軍は、転倒したエルミナに容赦なく魔導ガトリングガンをぶっ放した。

 秒間75発なので、ウッカリ転んだエルミナへ1秒間に75回は刃物で刺されるような痛みが襲った。


「バッ! やめっ......!! いだだだあだだだだぁっ!!!」


 正直たまったものではない、涙目で退散しようとする彼女へオルフォートは引き金をひき続けた。


「フッハァ!! 年貢の納め時だな吸血鬼よ!! このままくたばれぇッ!!!」


 より一層グリップに力を込めたオルフォートだが、1秒後に魔導ガトリングガンは火を吹くことをやめてしまった。

 あまりに突然のことに、彼は目を丸くする。


 具体的に言えば、エネルギーを供給していた背中の魔力パックが消し飛んだのだ。

 バックには巨大な穴が空き、繋がれていたチューブは切断される。


「ばっ......バカなぁああああッ!!!?」


 オルフォートのトリガーハッピーを止めたのは、射撃位置を変えたミクラが放った14.5ミリ弾だった。

 肉眼で狙えるギリギリの距離から、オルフォート将軍のエネルギーパックを撃ち抜いたのだ。


 パワー供給を失った魔導ガトリングガンは、ゆっくりと回転をやめてしまう。


「よくも撃ちまくってくれたわね......オルフォート」


 蜂の巣にされたエルミナが、大層不機嫌な様子で彼の前に立った。


「ちょっ......タンマ!! タンマでお願い......」

「問答――――」


 拳を振り下ろす。


「無用!!」


 後頭部を思い切りぶん殴られたオルフォートは、魔導ガトリングガンと共に下へと落下した。

 見れば、目を回して完全にのびている。


「サンキューミクラ、助かった」


 弾の飛んできた方を一瞥したエルミナは、すぐにアルミナと合流した。

 そして、戦いに夢中で気がつかなかったことに気づく。


「お姉ちゃん、こんな海が周りにあったっけ」


 魔都の外――――さっきまで陸地だったそこは、いつの間にか海になっているような。

 訂正、完全に海と化していた。


「ってハアアァァアアアアッ!? 海ィイイイっ!!?」


 絶叫するエルミナ。

 彼女たちがガトリング男と戦ってい間に、ネロスフィアの自走システムは完全に起動していたのだ。


 街全体を6本の脚が持ち上げ、そのまま海へと進水。

 高さ数十メートルの魔甲障壁を堤防にして、ネロスフィアは10ノットで航行していた。


「慌てないでエルミナ、全て勇者が予想していたことでしょ。むしろこれは計画通り、ひとまず喜んでいい」

「あぁ〜そうだったっけ、計画通りになるとどうなるの?」

「聞いてなかったの? 沖合を見て」

「うん?」


 水平線の上で、何かが光った。

 いくつもの黒い何かから、閃光が発せられたのだ。


「ん~~~......?」


 エルミナの驚異的な視力は、飛んでくる"それ"をしっかりと認識した。


「ちょっ! バカバカバカ!!!」


 ネロスフィア市街で、いくつもの爆発が発生した。

 魔法によるものではない、火薬の詰まった重い"砲弾"が着弾したことによるものだった。


 エルミナは思わず叫ぶ。


「王国海軍っ!?」

「作戦のフェーズ2、『ランサーユニット』がすぐそこまで来ている。エーテルスフィア無力化までのタイムリミットはもう少ない」


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― 新着の感想 ―
[良い点] 左舷弾幕うすいよ 狙撃手ハンパない [一言] 艦砲射撃? 雨を見たことが有るかい
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