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【完結済み】外れスキルの不遇魔導士、ゴミ紋章が王国軍ではまさかのチート能力扱いだった〜国営パーティーの魔王攻略記〜  作者: たにどおり@漫画原作
【魔王戦争終局編】

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第285話 不和を撒き散らす者......それは会議首班

 

 魔王城の将軍会議室は、まさしくてんやわんやの大騒ぎであった。

 連合国軍の総攻撃を受け、続々と届く潰走の報告に将軍たちは目眩を起こしそうになる。


 しかも、今回は普段なら絶対にいないはずの重鎮までがこの場にいた。


「戦線の状況はどうなっている? 各将軍たちよ」


 全体を一瞥したのは、魔王軍のトップである魔王ペンデュラム。

 全身を漆黒の鎧で覆い、片手には伝説の武器である『魔剣オールト』が入った鞘が握られている。


「はっ! 魔王様! 我が軍の戦力は未だ健在! 鋼の精神と鍛え上げた肉体をもって連合国軍を食い止めております!!」


 そう叫んだのは、水竜軍団を率いるジェラルド第3級将軍であった。

 彼の配下である海上部隊は、この数日ほど前に王国海軍機動艦隊との戦闘で文字通り玉砕している。


 一体どの口からそんな戯言を出しているのかと、同じ海域でワイバーン部隊を失ったクラーク第5級将軍は嘆息した。

 もちろん、魔王ペンデュラムもそんないい加減な言葉ではもはや惑わされない。


「鋼の精神と肉体だと? ふざけるなジェラルド!! 健全な部隊運用と理論的な戦術を我は求めている! ここに至ってまだ根性論を口にするか!!」


 ペンデュラムの怒号に、ジェラルドは数歩後ずさって頭を下げた。


「申し訳ございません魔王様! 訂正致します! ただちに参謀教育に則った部隊運用により敵を撃退します!!」


 完全に人選を見誤ったと、ペンデュラムは遅すぎる後悔に苛まれる。

 そこへ、場の空気を全く読まない言葉が火に油を注ぐかのように放たれた。


「まぁ......ジェラルド将軍も頑張ってるしさ、あんま攻めちゃダメ......だと思うんですよね〜」


 その場にいたジェラルド以外の全員に睨まれたのは、最近影の薄かったスプーキー会議首班だ。


 彼は、将軍会議健全化のためリーリスが派遣した人物。

 だがその実、このスプーキーという男――――全くの無能であった。


「どういうことかねスプーキー会議首班......?」


 ビキビキしながらクラーク将軍が尋ねる。


「いやまぁ、あれだよ......まぁ、結果はともかくとしてみんなで頑張んなきゃいけない時期だしさ、ジェラルド将軍悪気ないんだし」


 バリバリ悪気あります。

 めっちゃ嘘ついてますよジェラルド将軍は、と......他の将軍たちは思う。


「あなた、魔王様に対してなんという口の聞き方を......」


 呆れるミリア第4級将軍。

 それでもスプーキー会議首班は止まらない。


「いやだからつまりアレだよ、......とりあえず喧嘩両成敗っていうことで――――」

「つまりどういうことだ!!?」「なにが両成敗か貴様ぁッ!!」


 クラーク将軍と魔王ペンデュラムが、同時に咆えた。


「貴様ジェラルドに食料でも渡されたか!? 随分と庇うではないか!!」

「いや違う、違うんだよクラークくん......僕はただみんな仲良く仕事できればなーって思って......」

「だったら頼むから黙っていてくれ!! 貴様が喋ると不和が広がる!!」

「いやー、ある程度仕事しないとリーリス様に怒られるんだよねぇ......」


 まさしく会議は踊る、されど進まずであった。


「チッ! このバカは放っておこう......。ジェラルド将軍!」

「なにかね?」

「先日空襲を受けた水竜軍団基地から、"魔都へ補給物資を届ける件"――――どうなった?」

「それについては心配無用、今日にも届くだろう」

「なるほど、了解した」

「大きいコンテナにドッサリ積んでいるはずだ、楽しみに待ちたまえ」


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― 新着の感想 ―
[良い点] この期に及んで皮算用が発動できるとは……。 まあ核の対抗手段何てある訳無いけどね! 流石に根性で耐えれるとは言えないだろうしw [気になる点] ぶっちゃけ(無断で押し付けられた)やられ役が…
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