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第255話 偉大なる獣

 

「ふいー、なんとか着いたッスね〜」


 駐屯地に突っ込み、ドリフトで停止した装甲車から俺たちはなんとか降りていた。


「お疲れ様です! 戦闘団長よりあちらのテントで待機するよう指示が出ています」

「了解した、全員行くぞ」


 ヘッケラー大尉に続いてテントへ向かう。

 後ろにはアルミナと、目覚めたエルミナに肩を貸すブレスト将軍が続く。


「なんとか助かったわね......」

「はいアルミナ様、とりあえず指定されたテントに向かいましょう」

「そうね、エルミナも目を覚ましたし」


 後方からは砲撃音や銃声、炸裂音が響く。

 王国軍部隊があのホムンクルスと戦っているのだろう、ひとまず安心する俺たち。


 だが――――――


「まだ......」

「えっ?」


 自力で立ったエルミナが、弱々しい声で言った。


「まだ終わってない......! アイツはなんとしてもわたしたちを殺しに来る」

「あの防衛線を、踏み越えてくるっていうのか......?」

「わからない、でもアイツは限りなくこの世の理を超えた存在。わたしたちの予想を超えた奇襲を仕掛けてくるはず......」


 ありえない、まさか翼でも生えるわけじゃあるまいし。

 だがその予想は、直後に鳴り響いた防空警報によって証明されることとなる。


「どうした!!」

「第3警戒ラインが突破されたとのことですヘッケラー大尉! 急ぎこちらへ!!」


 慌ただしく動く駐屯地。

 見れば、設置してあった88ミリ高射砲が稼働していた。


「ちっ!!」


 全てを悟った俺は、すぐさま防御魔法を展開。

 すぐにでも始まる対空砲火に備えた。


「エルドさん! なにを!」


 高射砲が続々と射撃を開始する。


「全員動くな! あれは時限信管付きの曳火砲弾だ! 破片が降ってくる!!」


 それだけ切羽詰まった事態ということだ。

 つまり敵は――――


「クソッ! 信管の設定高度が高すぎる! すぐに調整を!!」

「ダメです! 間に合いません!!」


 広場に何かが墜落した。

 ドス黒く焦げたそれは、砲撃や火炎放射により焼けただれている。

 なのに、背中からは不自然なほどに真っ白な翼が生えているのだから気持ち悪いことこの上ない......!!!


【主のお導きを......、偉大なる天界に業深き者を】


 ホムンクルスの目に魔法陣が浮かぶと同時、もはや見飽きたと言っても過言ではないレーザーが俺たちへ向けて放たれた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] レーザーなら銀メッキではねかえせる スペリゲン反射光(ドイツ語で鏡)
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