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【完結済み】外れスキルの不遇魔導士、ゴミ紋章が王国軍ではまさかのチート能力扱いだった〜国営パーティーの魔王攻略記〜  作者: たにどおり@漫画原作
【VS慟哭竜ハルケギニア】

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第216話 戦いってのは厳しいもんだろう?

 

「セリカくん! オオミナトくん! 全力を出し切れッ! タンクのやつらはついてこい!!」


 剣を持ったラインメタル少佐が、冒険者たちを率いて突っ込んでいく。

 満を持した勇者の登場に全員の指揮は上がった。


「はあぁぁあっ......!『風神竜の衣』!!」


 瞳に留まらず、オオミナトの髪までが銀色に染まった。

 凄まじい魔力量と風――――これが彼女の全力か。


「行きますよセリカさん!」

「了解ッス!!」


 2人が地面を蹴る。


「俺は間違ってない......! 魔王様のために! 魔王軍のために働いたのに! どういうことだ"リーリス"!!」


 やはりこの竜人も魔王軍絡みか、何かを叫ぶ敵へまずラインメタル少佐が切り込んだ。

 竜人の鱗がアッサリ斬りきざまれる。


「うむ、久しぶりの剣も悪くない......。だが――――――」


 少佐はホルスターから拳銃を抜くと、鱗の落ちて剥き出しとなった皮膚へ弾丸を撃ち込んだ。


「ガアァッ!?」

「こっちの方が性に合ってるな」


 反撃しようとした竜人はしかし、その剣を突っ込んできたセリカのエンピによって止められる。


「これ以上暴れられると困るんッスよ!!」

「良いアシストだセリカくん、前衛を頼むよ」

「頼まれました!」


 セリカと竜人が、凄まじい剣撃の打ち合いを始めた。

 相手は剣に魔力を込めているようで、振り回された剣の軌道に沿って斬撃が飛んでいる。


「セリカ!!」


 一騎打ちする彼女に、セリカ母が叫んだ。


「大丈夫です! 確かにあいつは銃を持った時の勝率は最悪ですが――――」


 剣舞を受け流したセリカが、本来土をひっくり返すための武器で竜人に傷を与える。


「スコップを持った時の勝率は最高です!」


 彼女は元近接職の冒険者であり勇者ともタイマンした兵士だ、あんなぽっと出の竜人なんかが――――勝てる相手ではない。


「でやぁッ!!」


 振り下ろされたエンピが、竜人の翼を斬り飛ばした。


「アアアアァァァアアアアアアアアッ!!!??」


 悶絶する竜人を、正面からもの凄いスピードで突撃してきたオオミナトが追撃する。


「街にこれ以上被害を出したくない、オオミナトくん――――悪いが頼むよ」

「はいっ!」


 彼女の両手に風が集まる。


「滅軍戦技――――『鳳凰暴風陣』!!」


 竜巻を束ねたかのような暴風が、竜人を王都の遥か上空へと吹っ飛ばす。


「仕上げだエルドくん」


 俺目掛けてスナイパーライフルが投げられた。

 防御魔法を解除し、それを受け取る。


「降ってくる前に葬れ、ヤツの墓場はあの雪空だ」

「......了解」


 ラインメタル少佐は、レーヴァテイン隊員から7.92ミリ弾を受け取ると、俺目掛けて弾く。

 それをキャッチすると、コッキングレバーを引いて素早くチャンバー内へ弾を押し込んだ。


 上空高くへ放り上げられた竜人へ照準を合わせる。


「戦いってのは厳しいもんだろう......? アーク第2級将軍。我々と殺り合ったのが運の尽きだったな」


 少佐は指でピストルの形を作る。


「――――ばーん!」


 上官の合図で引き金をひいた。

爆裂魔法付与エクスプロージョン』を施された弾丸は真っ直ぐ飛翔、竜人に直撃した。


 王都を爆発の屋根が覆う。

 勇者にこそ以前は耐えられたが、さすがに効いただろう。

 降ってきた黒焦げの竜人へ、セリカがエンピを構えていた。


「やれ」


 落下した竜人は最後――――セリカのエンピによって貫かれることで絶命。

 その生涯に幕を閉じた。


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