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【完結済み】外れスキルの不遇魔導士、ゴミ紋章が王国軍ではまさかのチート能力扱いだった〜国営パーティーの魔王攻略記〜  作者: たにどおり@漫画原作
【ウォストピア最終戦争編】

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204/380

第204話 将軍会議

 

 ――――魔都ネロスフィア。


 もはや恒例となりつつある将軍会議室で、毎度おなじみとも言える光景が繰り広げられていた。


「アーク第2級将軍、これをどう弁明するつもりかね?」


 長机を囲むように、亜人部隊を率いていたアーク第2級将軍。


 水竜部隊を率いるジェラルド第3級将軍。


 黒魔導士部隊を率いるミリア第4級将軍。


 ゴーレム部隊を率いるロード第6級将軍。


 そして本土防衛を担うブレスト第7級将軍が座っていた。

 クラーク第5級将軍は、ワイバーン軍団視察のため留守である。


 彼らが見る長机の上には、【竜王国跡地】を挟んで敵の領土と化したウォストピアが書かれた地図。


 そう、いつもの問答の開始である。


「第2軍団は消滅、その上にウォストピアまで陥落を許すとは......アーク将軍、貴様まさかスパイではないのかね?」

「なにを言うジェラルド! 私は貴様の水竜部隊を信じたからこそ徹底抗戦したのだぞ!」

「フン! いくら我々が海で活躍しようと、貴様の陸軍が機能しなければ意味がないであろう!」


 こんなことを言うジェラルドだが、実際のところアーク将軍を責めれる立場ではない。


 彼の水竜軍団は、ウォストクローナ沖に展開している王国海軍によって大打撃を負っていた。

 具体的に言うと、まず海底に潜んでいた水竜は独特の音を駆逐艦のソナーに発見され、対潜爆雷と爆裂魔法を容赦なくぶち込まれた。


 水上の囮部隊は、戦艦と砲打撃戦を行ったばかりにミンチと化してしまっている。


「アーク将軍......、辞め時ではないかね? 潮時だろう」

「黙ってもらおうロード第6級将軍! 貴様とて自慢のゴーレム軍団をミハイル連邦の戦車部隊に粉砕されていたではないか! 我が第2軍団が負けたのは貴様が原因だ!!」

「無能怠惰のアーク将軍に言われる筋合いはない! あれは連邦の戦車が多すぎたのだ、キッチリこちらも数を揃えればきっと――――――」

「その数が揃っとらんのだ! 質もだぞ! もう魔王軍の戦力は戦前の3分の1以下だ! どの軍団も疲弊しきっておる!」


 恒例の蛙鳴蝉噪あめいせんそうへと陥った時、恰幅のいい体格をしたブレスト第7級将軍がゆっくり手を上げた。


「......なんだね、ブレスト将軍」

「あのー、私から提案が1つあるのですが......」

「なんだね、言ってみたまえ」


 急かされたブレストは、噛みそうになりながらも答えた。


「ここは1つ、連合国軍との"講和"を目指してみてはいかがでしょう――――」

「貴様舐めているのかッ!!」

「敗北主義的発言だぞ! 今すぐ取り消せ!!」


 アーク将軍、ジェラルド将軍から怒号が飛ぶ。


「お、お考えください! 連合国軍との戦力差はもはや絶望的です! これ以上の戦争継続は魔都ネロスフィアを戦火で覆い尽くします!」

「ならばどうやって講和するのかね?」

「はい、講和交渉はスイスラスト共和国に仲介をしてもらいます」

「共和国はもう連合国軍に入っている、妄言もほどほどにしたまえ」

「いえ、彼らはいまだに永世中立宣言を放棄しておりません! 真に中立ならば我々と連合国軍の仲介をきっととりもってくれるはずです!」


 ブレスト将軍の言葉により、一瞬会議室が静まる。


「まだ魔王軍が力を残しておけば、講和交渉においても有利な条件が引き出せます。どうか講和を――――」


 言いかけた時、将軍会議室の扉が開けられた。


「その必要はない、ブレスト第7級将軍」


 会議室にいた将軍たちが一斉にひざまずく。


「ま、"魔王ペンデュラム"様......!? どうしてこのようなところへ」

「将軍の皆様に、朗報を届けるためです」


 見れば、ペンデュラムの横には金髪を腰まで伸ばした少女が立っていた。


「最高幹部リーリス様......!?」

「久しぶりですね将軍の皆さん、今日は良い知らせを持ってきたのです」


 リーリスは右手から金色の魔力の塊を出した。

 ウォストピアで、亜人勇者から奪った魔力だ。


「我々魔王軍はこれより――――【竜王国跡地】より古のドラゴンを復活させます!」


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