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第174話 天使VS国営パーティー

 

「あっ、貴方たちには人の心というのがないのですか!」

「人じゃねえヤツに言われたくねえよ!!」


 天使の一撃をかわし、空中から首元へ散弾を叩き込む。


「そういうことだヒューモラスくん、もはやこの天使などという肉塊に我々は――――」


 天使の右腕が、少佐の蹴り1発で弾け飛ぶ。


「なんの情も想いも感じない」


 片腕を失った天使は暴れ狂いながら、左腕を振り回す。

 飛び散る瓦礫を避けながら、俺は全身の魔力をたぎらせた。


「はああぁぁッ!!!」


身体能力強化オリオン』を発動。

 大幅に強化された動体視力を用いて瓦礫をよける。

 銃を真上に放り投げると、俺は片腕の天使へ肉薄した。


「フッ! はっ! おらあぁッ!!」


 強靭な肉体を破壊せしめんほどの勢いで殴りつける。


「はああッ!!」

「シュラァッ!?」


 押しの蹴り技で天使が吹っ飛ぶ。

 落ちてきたトレンチガンを向けると、さらに追い打ちをかける。


「『炸裂魔法付与ブラスト』!!」


 装填していた3発全てを発射し、天使は片膝をつく。

 まだ残る爆炎を突っ切り、セリカが迫った。


「これで終わりッスよ!!」


 いや、まだ終わりじゃない......!

 魔力反応を感じた俺はすぐさま警告する。


「右に避けろセリカ!!」

「えっ? うわっと!?」


 驚くべきか、天使の右腕が再生していたのだ。

 おまけに、御大層な槍まで持っている。


「進化したか......、面白い!」


 セリカと交代でラインメタル少佐が突っ込む。


「はあッ!!!」


 少佐の怒涛の蹴り技が襲う。

 振られる槍を全てかわし、首元へゾウすら吹っ飛ぶダメージを加えた。


 鐘の音を流しながら、天使が槍を振るう。


「ぬうんっ!!!」


 縦に振られた一撃を、アサルトライフルで受け流した。


「ぜぁッ!!」


 再びの蹴り。

 今度は天使の持っていた槍が砕け散る。


「ここまでだ神のあやつり人形、あの世で主人に詫びるんだな」


 少佐が銃のトリガーを引こうとしたその時だった――――


「ッ!」


 突如腕へと姿を変えた天使の翼が、ラインメタル少佐の左腕をガッチリ掴んだのだ。


「ちっ!」


 振りほどこうとした少佐は、しかし敵の目を見て一瞬動きを止めてしまった。

 俺も気がつく......、天使の瞳が――――まばゆい"金色"に変化していたのだ。


 それは紛れもなく"勇者の力"。

 俺たちの上官と全く同じ質のものだった。


 浮き出ていたセルンの顔が不気味に笑った。

 天使は、ここにきて初めて口を開く。


「......主の祝福を受けよ」


 ラインメタル少佐の目付きが強張った。


「っ、女神アルナ......ッ! ......また貴様かァッ!!! 離せっ! クソッ!! 離せぇ!!!」


 初めて聞く少佐の叫び声。

 高エネルギーを発する天使は、間違いなく自爆魔法を試みている。

 くらえば少佐はもちろん俺たちすら全滅だ。


「セリカ!!」

「了解ッ!!」


 サイドから全速で突っ込み、俺は最速で魔力を込めた。


「『貫通付与ショット』!!」

「『ソード・パニッシャー』!!!」


 少佐を捕らえていた天使の翼を切断する。

 自由を得た少佐は一歩下がると――――


 ――――ジャキン――――


 マガジンを交換、銃口を天使に向けた。


「ッ!!!」


 ――――ダダダダダダダダダダダダダダッ――――!!!!


 無情とも言える死のカーテン。

 アサルトライフルのフルオート射撃は天使を貫いた。


「ごぷっ!」


 天使の口からドス黒い液体が吐き出された。

 阻止......できたか?


 ゴ――――――――ン!


 いや......!


 ゴ――――――――ン!


 これは......!!


「ルシアくんを守れッ!! 全員衝撃に備えろぉっ!!!」


 自爆が続いて――――


 そこまで考えた時、視界の全てが閃光に覆われた。

 空間を破壊し尽くす勢いで爆発は広がり、この大広間の大部分が空から崩れ落ちた。


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