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プロローグ

今は、ただただ、逝ける人に捧げます。

タクヤが逝ってもう1年になる。最後に彼から託された猫のゴンが私の今の支えだ。


「なあ、悪いんだけど、俺がいなくなったら、ゴンの面倒を見てくれないか」


彼は言った。最後まで自分のことより残されたものを心配する人だった。だが、私には、それが悲しかった。だって、なんだか他人行儀な気がしたから。


高校の友達の由美にはもう忘れちゃえば、と再三再四言われている。


「ねえ。あんた、もう1年になるよ。うじうじしてないで新しい恋でも探したら。タクヤだって、あんたがいつまでもうだうだしているのは望んでないと思う。」


そうだろうか。タクヤは、確かに私のことを気にかけていた。しかし、彼は、私が、望むなら、例えそれが、あまり良くないことでも、大目に見てくれたのだ。


「今度も大目に見てくれるよね。」


私はゴンを撫でながらそう呟く。ゴンは、ちらっとこっちを見て、そうだと同意してくれたように見えた。あるいはそれは単に、聞いてるよ、だったかもしれないし、もっとちゃんと掻いてよ、だったかもしれない。いずれにせよ、タクヤのことを私はけして忘れないし、忘れたくないのだ。少なくとも今は。


「なあ、そろそろ俺と付き合っちゃおうぜ。」


悪友のリョウはそう私に言う。でも、半分は本気じゃないことぐらいよくわかる。だって、リョウもタクヤがいなくなって苦しんでいるのだ。


タクヤは、大きな傷跡を私たちに残した。そして、その傷跡を消そうと私たちは奔走して、さらに傷付き、そして、落ち込むのだ。そう、あの時までは。

更新は恐ろしいほど遅いです。すみません。

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