告白
翌日。
何時もの時間に学校に登校する。
足は、万全だし今日は、良いことありそう。
何て、ウキウキ気分で校門を潜ろうとした。
「ちょっといい?」
声をかけられた。
声のした方を向けば、待ち伏せしてたらしい大谷くんが居た。
何、さっきまで良いことあるかもって、受かれてたのに一気にクールダウンだよ。
「何ですか?」
自分が思ってた以上の低い声が出た。
この人と関わると、碌な事無いし…。
「ここじゃあ…」
周りを見て、言葉を濁す大谷くん。
ここで、話せない事なんて私にはないんだけど…。
って言うか、ここで話して欲しいって私は思うんですが…。
「付いてきて…」
大谷くんが言うから、仕方なく後を着いていく。
このまま、ボイコットも出来るんですがね。腕を捕まれてるわけでもないし…。
取り敢えずは、話だけでも聞くかな。今断っても、直ぐ次がありそうだし…ね。
彼に連れてこられた場所は、旧校舎の裏側だった。
彼の足が止まり、振り返った。
改まった顔つきで。
「結城夏実さん。唐突にこんな事を言ったら驚くかもしれないけど、言わずにはいられない」
そこまで言って、区切った。
何でしょね。真顔で言われることなんて、今まで無かったから戸惑う。
「俺、結城さんの事が好きです。俺と付き合って貰えませんか?」
本当に突然で、何が起きたのかわからなかった。
これって、いわゆる告白ってやつ?
しかも、女子の憧れてる君が、私に……。
そんなの絶対にあり得ないよ。
何かの冗談だよ。夢だよね。
現実逃避してます、自分。
「結城さん…」
彼が、私の顔を覗き込んできた。
「ごめんなさい。…私、そういうの考えられない。それに大谷くんなら、私なんかよりも最相応しい子が居るよ」
私は、笑顔を浮かべて言う。
うん、だって大谷くんのファンの子達は、私より断然綺麗で可愛い子が多いんだもん。
「何で、そんな風に言うの?“私なんか”って何?それに“相応しい” って?俺が好きなのは、結城夏実さんであって、他の誰でもない」
彼の真剣な眼差しに目を逸らした。
余りにも真剣で、その目に引き込まれそうだったから…。
「ごめんなさい。大谷くんの想いには応えられない」
私は、そう言ってその場から逃げ出した。
「俺は、諦めないからな!」
背後でそんな声がした。