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夕食


買った物をエコバックに詰めていく。

「夏実。買い過ぎだぞ」

お父さんが、苦笑を漏らす。

仕方ないじゃない。

こんな時じゃないと買えないんだもん。

なんて心の中で、言い訳してみる。

詰めた荷物をカートに乗せ車まで移動する。


「ねぇ、お父さん。新見君と何かあった?ずいぶんと焦ってたみたいだけど…」

歩きながら、お父さんに聞いてみた。

「あぁ、慶太がな、警戒してたからかな。つい、俺まで警戒してしまった」

って、どこか歯切れの悪い回答が返ってきた。

何だろう?

さっきの新見くんも慶太がって言ってたけど、何かあったのかな?

「ほら、夏実。さっさと乗せて帰るぞ」

お父さんが、車のドアロックを解除して、トランクに入れていく。

私も、慌てて手伝って、カートを戻し車に乗り込んだ。



家に着くと、買った物を仕舞い込、調理に取りかかった。


本日は、中華にしてみたんだけどね。どうだろう?

だってさ、慶太も多分蓮くんも沢山食べそうだし、量あった方がいいかなぁって思って、さ。残ったら、明日のお弁当になるし(自分だけね)、一石二鳥だよね。

何て、思いながら、階段のそばまで行き。

「ご飯出来たよ」

と声をかけてから、キッチンに戻り茶碗にご飯をよそっていく。

「腹へったぜ」

ッと、慶太は自分の席に着く。

「オレの分まで、ゴメンね」

そう言って、蓮くんが申し訳なさそうな顔をしながら慶太の隣に座る。

「ううん。気にしないで、一人分増えた所で、変わらないから」

私が、そう言って答えていると、お父さんとお母さんも席についた。

「夏実。冷蔵庫にこんなに残ってたか?」

慶太が、不思議そうな顔をして聞いてきた。

「あっ、お父さんと買い出しに行ったから……」

小声で答える私。

「ふ~ん。まあいいや。頂きます」

慶太は、それだけ言って箸を動かし始めた。

その隣で、蓮くんが不思議そうな顔をしていた。

「蓮。食べないのか?」

箸を動かさない蓮くんに慶太が言う。

「あ、うん。食べるよ。頂きます」

手を合わせて、そう言うと箸を動かし始めた。

「ご飯のおかわりは、沢山あるからね」

私はそう言うと、空いてる席に着き自分も手を合わせ。

「頂きます」

と声に出して、箸を動かす。

何時も通りに作ったけど、蓮くんの口に合うかなぁ。

ドキドキしながら、彼を見てると驚いた顔の後嬉しそうな顔をして。

「美味しいよ、夏実ちゃん」

そう言って、パクパクと食べだした。


よかった。

不安だったけど、"美味しい"って言葉をもらって、ホットしてる自分がいた。





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