モヤモヤ
本日、二話連続投稿しております。
前作を読んでから、こちらをどうぞ。
放課後になり、私は急いで鞄に教科書類を詰め込み、教室を出た。
その時、目の端に幸子を捉えたが、ルンルンだった。
まだ、蓮くんは来てない。今のうちに…。
朝のあの時間以外、ずっと蓮くんを避け続けました。
見つかったら、言いくるめられそうで…。
靴箱で下履きに履き替えていると。
「夏実!」
って、声が聞こえてきたが、振り向かずにその場を逃げた。
声の主は、蓮くんだけど顔を会わせられない。
幸子の事を思えば、私は傍に居ない方がいい。
彼が、靴を履き替えてる間に少しでも距離を開けるために、走り出した。
何故逃げてるのかを自分でもわからずに…。
家まで走り続けて、玄関のドアを潜ってやっと、人心地がついた。
私は、キッチンに行き冷蔵庫から水を取り出して、コップに注ぐと、一気に飲み干した。
コップをテーブルに置き、椅子に座った。
何で、こんなに苦しいんだろう?
訳のわからない感情が、胸に渦巻いてる。
あーもう、こんなの私らしくない。
そう思い、立ち上がり自室に行き着替えた。
部屋着に着替えて、キッチンに戻り食材の確認をしていたら。
ピンポーン。
玄関チャイムが鳴った。
私は、何も考えずに玄関を開けた。
そこに居たのは、蓮くんだった。