マネージャーの件、
大変お待たせしました。
自分の席に着くと、すぐに慶太にメールした。
すると、直ぐ様メールが届き。
"夏実がやりたいのなら、やればいいじゃないか。俺から、蓮にメールしておく"
って、文面が。
えっ、これって許可されたってこと?
私が疑問に思ってるとこに。
「夏実ちゃん。慶太からメール来た。マネージャーの件、よろしく!」
って、教室の入り口から大きな声で蓮くんが言う。
蓮くんの言葉に、一斉に私の方を見る女の子達。
そして、蓮くんの方に詰めかけていき。
「マネージャーなら、私がやるよ」
「私が」
って、声が上がってる。
凄い人気なんだね。
私は、呆気にとられながらその光景を見ていたんだけど。
「夏実。バスケ部のマネージャーするの?」
っと何時の間にか私の横に来ていた、幸子に問いかけられた。
「う、うん。成り行きで…ね」
と言葉を返す。
「…それって、大谷くんが誘ったの?」
何か、刺々しい言い方で聞いてきた。
幸子の目を見れば、睨むように私を見ている。
何?その禍々しい怖い顔は?私、気に障るようなこと何かした?
「えっ、う、うん。そうだよ。朝の登校してる時にね」
たじろぎながらもそう答えた。
だって、怖いんだもん。
「…一緒に登校してきたの?」
え、何か不味かったかも…。
言ってから、後悔しても遅いのに…。
幸子の後ろに黒いオーラが見える。
そのオーラに気圧され一歩後退したところに。
「結城さん。マネージャー断って、私たちを推しなさいよ!」
と、蓮くんファンが押し寄せてきた。
うおー。
何で、私が囲まれないといけないのよ。
そんなに蓮くんがいいのなら、直接本人と交渉して欲しい。そしたら、私も解放されて、万々歳なのに…。
口に出して言えないのが、辛いとこだ。
にしても、さっきの幸子怖かった。
あんなにも雰囲気が違うと近寄りがたくなる。
でも、朝のことちゃんと話した方がいいよね。
私はそう思って、幸子に声をかけた。
「幸子も一緒にマネージャーやる?」
すると、目を見開いて。
「え、いいの?」
と聞き返してきた。
「うん。ほんと言うと、蓮くん、幸子の事も誘ってって言ってたんだ」
そう言うと、花が綻んだような笑顔になり。
「そ…そうなの。だったら、やるよ」
って、嬉しそうな顔を見せる。
メチャ、ヤル気な幸子を見て、私が居なくてもいいかなって思った。
「じゃあ、蓮くんに話してくるね」
私が席を立とうとしたら。
「あっ、私が自分で話してくるから」
って、慌てて席を立ちスッキップしそうな感じで教室を出ていった。
あぁ、幸子は蓮くんが好きなんだなって感じた。
あんなに嬉しそうな顔をして、会いに行くんだから…。
だから、私は。
"蓮くんごめんね。マネージャーの件だけど、私には無理だから、幸子にやってもらって。本当にごめんなさい"
と打って、送信し。
"マネージャー断ったから、家事やっておくね。部活頑張って"
と慶太に送った。