気持ち
家に着くと自分の部屋に籠った。
何で、こんなに彼の事が気になるんだろう?
何が、そうさせてるんだろう?
彼の悲しい顔が浮かんでは消える。
一体、私どうしちゃったんだろう?
思いを巡らせてると。
コンコン。
部屋のドアが、ノックされた。
「はい」
「夏実?入るぞ」
中に入ってきたのは、慶太だった。
「どうしたんだ?帰ってくるなりに部屋に閉じ籠るなんて…」
慶太が、心配そうに聞いてきた。
私は、意を決して慶太に相談することにした。
「それは、夏実がそいつの事を気になり出したんだよ」
慶太が、少し寂しそうにでも、しっかりとした言葉で言う。
「彼を好きになりだしてるってこと?」
そんなの、あり得ない。
だって、私は慶太が一番だって思ってるんだから…。
「そういう事だよ。その証拠に夏実の顔に笑顔が消えてる。そいつに悪いことをしてるって思ってるからだろ?だったら、ちゃんと理由を話してやりな。その先の事は、ゆっくり考えればいいだろ?」
慶太が、真剣に答えてくれる。
「本当は、俺がちゃんと夏実に合う奴を見つけてやりたかったが…」
ボソッと慶太が呟いた。
慶太に言われて気付くなんて、本当に鈍感だよね私。
しかも、今更どの面下げて言えばいいの?
ハァ…ーー。
大きな溜め息を一つ溢した。