13 二人組
一ヶ月で監視はなくなった。一ヶ月間、今までと何も変わらない生活をしていたから単調だった。監視していた人も、俺の生活は見ていて面白いものはなかったと思う。携帯電話は主に母親からの着信しかなく、真木からは一回だけメールがあった。出発が来月に決まったらしい。真木の方は順調に進んでいるようで良かった。
他のクロの監視はどうなんだろう。怪しいと思われたら、監視は長くなるのかも。俺のせいで始まったことだけど、クロである限り、こういうことは覚悟しなければならない。
もしかしたら、小さい頃にもクロ狩りはあったのかもしれない。気付かなかっただけで、監視されていたのかもしれない。
ま、今まで問題なかったからいいか。
ランニングの途中で、採石場で休憩することにした。昔の特撮番組で戦闘シーンに使われそうな場所だ。
草も木も生えていない岩と砂だけの場所。一部崖のようになっている。
周りに人がいないことを確かめてから、いつもと同じように拳くらいの石を掴んで投げた。思い切り投げるのって気持ち良い。
石の軌跡を目で追っていたところで、爆発が起こった。
採石場って爆発物があるのか!?
「うわっ人がいた! どうしようカズ」
「どうしようって……あれ、あの子」
砂埃の中から、二人の青年が姿を現した。
カズと呼ばれた青年は、俺の頭の上を見ている。この視線を知っている。
真木がその意味を教えてくれた。
「……シロか」
「君はクロだね」
カズは眉を寄せて微笑んだ。隣の青年は俺を凝視していた。
「僕はカズヒロ。で、隣が弟のヒロシ。クロだよ」
「兄弟か……俺はヒイロ」
カズヒロとヒロシ。兄弟でシロとクロ。
流れで自己紹介したけど、二人は何でここにいるんだ? そもそも、俺にシロだと明かして良いのか?
クロはシロを売るんだろ。
「僕たちがここに来たのは、謎の爆発があったって聞いたから。爆発物がないってことから、シロとクロが起こしたのかなって」




