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13.習作を書き直してみた(その1)

※本章の想定レイアウトは、1行あたり約40字です。皆様の環境もそれに合わせて頂きますと、作品がより楽しめると思います。

 時報設定4時確実。

 が、起床は6時半。

 それも悪夢が。

 瞼をこじ開け。

 息苦しい。

 胸に鉛を呑んだよう。

 以上が今日の書き出し。

 小夜子の。

 彼女漸く息を吐く。

 ゆっくりと。

 広がりきった肺。

 強張った胸郭。

 徐々に萎む。

 緩む筋肉が痛んだ。

 肋骨は上下の度軋むが。

 暫時、敢えて続ける。

 呼吸という自然な営為。

 なのに難航する回復。

 刻々、費やされる時間。

 不意に左手、額に触れる。

 いやにべとつく甲。

 全身再意識、寝汗酷し。

 不快。身じろぎ。途端。

 むせ返るほどの熱気。

 掛け布団が吐き出して。

 一体、どんな悪夢を見た?

 朧気な影なら覚えてる。

 夢は本来住処とす。

 濃い闇の中。

 惑星の非日照面のような。

 人の意識ことばの裏側に。

 然るに小夜子、既に覚醒。

 再び言葉となりしは。

 最早不可、その面相語り。

 道理。

「おい、小夜子。おい」

 兄の声。自室扉彼叩叩こうこう

 諸音、突如前景化。

 それら苛立ちを含む。

 もしかして:

 ずっと呼ばれてた…?

 小夜子状況を解釈す。

 が、斟酌は能わず。

 続く緩慢思考だらだら。

 この間、相手益々苛々。

 常の聡明さ、彼女に返れ。

「天文部の助っ人は?」

 どうした、と兄・陽介。

「観測、だん?」

 性急な問い、滲む不安。

 故あってのことだった。

 妹の寝坊、今朝が初。

 自身で決定、未だ覆さず。

 不審に思うも無理はない。

 一方で小夜子、動揺す。

 具有の化学時計。

 是迄正確運針を旨とし。

 必ず主を起床さすも。

 今朝初めての不備。

 再び胸が痛んだ。

 起床時とは異なる痛み。

 時計の狂いを嘆くか。

 それもある。だが。

 約束不履行、これも初。

 当てが外れた友人。

 一人じゃ観測も不十分で。

 あの娘の寂しげな表情…

 跳ね起きる優雅な所作は。

 もういつもの小夜子。

 と、思ったのも束の間。

 彼女は再び自身を疑う。

 目的:天井灯の紐を引く。

 ベッドに膝立ちになって。

 ちょっと伸び上がって。

 手も伸ばす。

 難無く出来るはずだった。

 結果:床に転落。

 受け身すら取れなかった。

 これも尋常でない。

 世界の方が突然傾いた。

 そうとしか思えない。

 右肩を強かに打ち付けた。

 喉が苦しみを押し出す。

「小夜子? 開けるぞ!」

 肩の痛みが囃し立て。

 忌々しさに腹を立て。

 その騒々しさを追い立て。

 YO 陽介が硬く声立て。

 小夜子は知らない。

 床・落下・思いの外。

 否・落花・音量過多。

 勢い良く開くドア。

 雨戸立てたままの部屋。

 まだ寝てた air.

 朝駆けに騒然、ぎゃあ。

 廊下より涼風嫋々じょうじょう

 続く足音、やや恐々。

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