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鬼の喧嘩屋  作者: 鉄紺
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生きるために

ここで欺術、いわゆる魔法についてちょっとだけ触れます。詳しいことはまた後ほど!

看板を気にしつつ看板を見ていけば、確かにあった。

コインを貫く剣の看板だ。

それを掲げている建物は他の建物と比べると随分と立派なものだ。

二階建てのようで他の家よりも数段でかい。


「さぁ、剛毅。どうぞ?」

「……わぁったよ!入ればいいんだろ!」


ウェスタン風の両開きの扉の前でこちらを振り向いた茜を押しのけて中に入る。

扉を開けた瞬間、不躾な視線が一斉に剛毅を襲った。


「んだよ」

「こら、剛毅、見ず知らずの多数の人にいきなり喧嘩を売るのはやめなよ。うーん。受付はあそこかな?行こう。剛毅」


中は広いバーのようになっており、テーブルと椅子がいくつか置いてあり正面を見ればカウンター越しに女性がこちらを見て座っている。

俺とは違い、染めたような色ではなく綺麗な金髪に青い目をしている。

茜はまっすぐとそこに向かうと話しかけた。


「シーカー?っていうのになりに来たんだけど僕たちでもなれる?」

「はい!15歳以上なら問題ないですよ!」


どうやら大丈夫そうだ。

金もかからないのか……?


「それじゃあふたり分お願いできる?僕と彼で」

「分かりました。ではここに名前と性別と種族を書いてください」

「種族?」


種族ってなんだ?

黄色人種とかか?


「見た感じヒューマンですよね?」

「うん?うん。そうだよ。剛毅、ほら書こ?」


茜の目が無難に終わらせろと訴えかけて来ているのでおとなしく書く。

まず自分がここではどんな立場なのか、はっきり決めないと動こうにも動けねぇ。


「あ、あぁ」

「日本語でも大丈夫?」

「多分大丈夫ですよ。この紙には書いた文字がその人が最も親しんでいる文字として理解できるように欺術がかかってますから」

「欺術?」

「あら、ご存知ないんですか?結構田舎から来たんですねぇ」

「いや、まぁ……アハハ」

「書いたぜ」

「僕も」

「はい……二人共ヒューマンでゴウキ様とアカネ様ですね…………はい、出来ました。シーカーカードで

す。このカードは身分証明も兼ねているので、これがないとシーカーと認められません。無くさないようにしてください。もし、なくした場合は半金貨一枚で新しく作り直せます」


半金貨がどれくらいの価値か分からないが、金貨というからにはなかなかに高いものなのだろう。気を付けないとな。


「わかった、ありがとう!それでえっと……」

「あ、私の名前はリザです。これから宜しくお願いしますね。アカネ様、ゴウキ様」

「うん、よろしくね!それでリザさん。シーカーってなに?」


その質問を機に今まで投げかけられていた不躾な視線が消えた。

リザは驚いたように目を少し見開いていた。


(なんだったんだありゃぁ……)

「知らないで登録したんですか?」

「うん。稼げるのがここって聞いたから来ただけなんだ。ね。剛毅」

「あ?あぁ。そうだな」

「今時子供だってどんな仕事か軽くは知ってますよ。いいですか?シーカーっていうのは生活に必要なアイテムの回収やダンジョンの攻略、フィールドワークをしてお金を稼ぐ人達の事です。わかります?」

「うん。まぁ。剛毅は?」

「言ってることならわかるが」

「よかった……では早速依頼を受けますか?その装備でも薬草くらいなら摘んでこれると思いますよ?」

「それってどれくらいのお金になる?」

「そうですねぇ……ここら辺に生えているものですと朝告花、夜光草、音無草、包蜜花……は難しいかな。この3つですね」

そう言ってリザは後ろに置いてあった分厚い本を手に取るとパラパラとページをめくった。

「これが、朝告花でこれが夜光草。こちらが音無草になります。今は昼ですから音無草がいいと思いますよ。5株でワルティール銅貨30枚になります」

「ここらへんで僕たちが泊まれそうな宿ってどこら辺にある?ついでにお値段も聞いていいかな?」

リザが矢継ぎ早に質問する茜を微笑ましそうにしている。

こりゃ、低身長もあって15歳なり立てでまだガキみたいなもんだと思われてんな。

「大丈夫ですよ。二人で泊まるならワルティール銅貨80枚で朝夜ご飯付きの宿があります。木香の宿という名前で、ここを出て南門へ歩いて行って一番初めの宿屋がそうですよ。ベッドの看板が目印です」

「わかった!ありがとうリザさん!」

「いいえ、どういたしまして」

「それで、茜。やんのか?」

「もちろん!宿無しは嫌だからね!」


なんでこんなにこいつ適応力たけぇんだ……俺は全く話についていけねぇ……。


「それじゃあ音無草を取りに行くよ。剛毅、しっかりこの形目に焼き付けておいてね」

そう言ってずいと出された図鑑のような本には葉がギザギザになった大葉のような植物が写っていた。

「なに……近づくと音が聞こえなくなる?」

「はい。音無草には周りの音を全て消してしまう欺術があるんです。だからすぐわかると思いますよ。南門を出て少し歩いた先の森で見つかりますね」

「ほぅ……ところで、さっきからちょいちょい話題に出てた欺術ってなんだ?」

「あ、ゴウキ様もご存知ないんですね。欺術というのは、この世の理りを欺く技術のことです。炎を冷たくしたり、水を浮かせたり、音無草みたいに周りの音を消したりと有り得ないことを現実にする技のことです。もちろん、練習すれば私たちも使えるようになりますよ。実際に欺術を使って戦う欺術師という方もいます」

「練習?」

「はい!明後日の鐘が3回鳴った時間に始まる初心者用の講演がありますから是非そちらで話を聞いてみてください」

「あぁ、そうすることにするぜ。茜。行くぞ」

「うん。それじゃあねリザさん」

「はい、お気をつけて行ってらっしゃいませ」


ここまでありがとうございました。

まだまだ稚拙なので会話文が多くなってしまいます。

精進していきますので、これからもよろしくお願いします!

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