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短編小説 「孤性」

作者: 神門 澪
掲載日:2026/03/11

私は恋を求めているのか。それとも友情を守ろうとしているのか。


#短編小説 #創作

 ごめんなさい。別れましょう。

 その言葉は何度も聞いてきた。

 その言葉は、いつも私を孤独に変えた。

 私には想いを寄せる相手がいる。だが、その想いを伝えることはできない。タイミングがないわけではない。ただ、自信がないのだ。告白すれば振られる未来しか思い浮かばない。何より怖いのは、そのことで関係が崩れてしまうことだった。

 私は恋を求めているのか。それとも友情を守ろうとしているのか。自分でも分からない。だが、好きなのは事実だった。

 皆が恋をして幸せそうにしている姿を見ると、どこか羨ましく思う。私も決してモテないわけではない。仲の良い相手から付き合ってほしいと言われることもある。

 本来なら断るべきなのだろう。私には意中の相手がいるのだから。だが私は残酷だ。断ってしまえば関係が気まずくなるかもしれない。仲の良い友人たちからも距離を置かれるかもしれない。そう考えてしまう。

 好かれること自体は嫌ではない。むしろ嬉しい。

 だから私は流されるように、付き合うことを選んでしまう。

 軽い人間だと言われても仕方がないだろう。

 だが不思議なことに、付き合っている間は相手のことを気にかけるようになる。自然と好意も芽生えるし、別れるときにはちゃんと辛い。

 それでも、意中の相手を見ると分かる。

 その想いだけは、まったく別のものなのだと。

 私はきっと、人を好きになることに向いていない。

 今日、私は勇気を出して想いを伝えた。

 だが返ってきた言葉は、静かなものだった。

「親友としか見られない」

 それだけだった。

 少し時間をかけすぎたらしい。

 出会った頃に告白してくれていれば、付き合っていたかもしれないと言われた。

 くだらない躊躇のせいで、私は自分で希望を失った。

 これからまた誰かを好きになれるのだろうか。

 そう思いながら、私は帰り道を歩いた。

 日はゆっくりと沈んでいく。

 明日になれば、また同じ一日が始まるのだろう。

 駅前の信号が赤に変わる。人々は立ち止まり、やがてまた歩き出す。

 だが私は、まだ同じ場所に立っている気がした。

自信のなさから、本当に好きな相手に想いを伝えられない主人公。変わろうとしても、変われない人間がいる。


その孤独が、やがてその人の「性」になっていく。


短編小説「孤性」を書きました。

よかったら読んでみてください

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