パラレルワールド
登場人物
誠…主人公
千沙…誠の嫁
仕事から帰ってきた嫁に、色々話を聞いた。
一ヶ月前、日本が第三次世界大戦に参戦したこと、米が一年に一度食えるかどうかの高級品になっていること、それから、徴兵制が始まったこと。
色々教えてくれと嫁に言ったら「何を今更知りたいんだこいつは」と言いたげな顔をされたが、そんなことはどうでもいい。
何でしれっと日本が戦争に参加してんだよ!! もう戦わねぇんじゃなかったのかよ!!!
突っ込み所があまりにも多すぎるが、一番ヤバイのは徴兵制が始まったことだ。
俺も兵士として戦争にいかなきゃなんねぇのかねえ。絶対嫌だけど。
なんとか逃れる方法はねえのかなぁ。
「何々? 『 徴兵免除の条件
一. 身長が百六十センチ未満の者
二. 発達障がい、知的障がい、または身体的な障がいを持つ者
三. 六十歳以上の者
四. 女性』とな。なるほど…」
俺はこの時以上に自分がチビで良かったと思ったことがない。ニヤニヤしていると、嫁がスマホを覗いてきた。
「徴兵免除の条件? ああ。でもアンタチビだから関係ないっしょ」
そう言い放ち嫁は颯爽とリビングへと去っていった。
この野郎。
だがまあ、これで戦地へ行く心配はなくなった。
問題は、ここが本当に現実世界なのかどうかだよなぁ。
トラックに轢かれた後に、よく知っているのに全然違う世界に居た。
うーん。やっぱり漫画みてぇな展開だな。
もしやこの世界自体フィクションなのでは !?
…いやまて落ち着けそれはない。
「あぁぁ!! もうわっかんねぇや!!!」
こんなに考えて分からんのなら仕方ない。さっさとこの世界に適応せねば。
あれから三ヶ月が経った。
俺は少しずつこの世界に慣れていった。
どうやらこの世界は俺が前居たと思っている世界と少しのズレが生じているようだ。
例えば前の所ではなかったスーパーが建っていたり、逆に見慣れた魚屋の場所が公園になっていたりする。
恐らく、ここはパラレルワールドだ。
前の世界線で死んだことでここへ来た可能性が大いにある。
と、まあそれくらいの事しか分かっていないが、ラノベオタクを舐めてはいけない。
その内事実を解き明かして見せよう。
次回もお楽しみに。




