1 プロローグ
宇宙は『六世界』で構成されている。
天界三世界・冥界三世界。
併せて六世界と呼称する。
天界とは。
元素・神界・人間界である。
冥界とは。
黄泉・魔界・霊界である。
近過去において。
大宇宙では天界大革新が実行された。
密やかに。
如来・悪魔時代は幕を下ろした。
急激な変遷に抗うことができず。
新時代へと変転移行した。
つまりすでに現世は。
『未來王時代』に突入している。
三千大千世界の主は世代交代がなされた。
天界にとって。
冥界にとって。
歓天喜地なる慶事であった。
数多の神々、魔神、霊獣は歓喜勇躍した。
なぜなら。
人類を破滅に導く危険な計画が実行されようとしている。
嫌忌類型が利己的な悪事を画策している。
地球人は。
嫌忌類型に気をつけねばならない。
脳内に強迫観念を埋め込まれてはならない。
綺語の羅列に惑わされてはならない。
美しい心根を穢されてはならない。
奴らに精神を操縦されてはならない。
破滅を喰い止められるのは。
人類の正見(判別能力)であり。
最新のテクノロジーであり。
多角的視点であり。
膨大なる情報分析能力にほかならない……。
キラリッ!
未來王は人間界に降臨した。
これから約一世紀。
人間として暮らしていく。
そうして。
『最悪のシナリオ』の修正を試みる。
図抜けた仲間たちは連携して協働する。
ぐにゃり……、
未來の予見が変化する。
仄暗い濁世に光芒が差し込んだ。
わずかに明るい兆しが現れた……。