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第三章 一幕-奉神-

「・この書物を島外に運ぶことを固く禁ずる。

 ・褪世島の生命を後世へと紡ぐ為、褪世島の全てをこの書に記し、厳重に保管せよ。

 



かつて、我々の祖先は新たな地を求め、この島に降り立ち、開拓に勤しんだとされる。

あらゆる動植物が群生するこの大地に希望を求め、開拓は長い時間をかけて行われた。


一定の年月が流れたときまで、技術の進歩は滞った。

群生されている動植物は開拓者の生命活動を維持するには、あまりにも足らなかった。


その一切が朽ち、飢饉に晒され、開拓は絶望視されていた。


その時であった。


海辺より一筋の光が差し、当時の表現で言う「あの世」より現りて、人々を導いた者が居たという。


「あの世」の者はこの島に滞在、技術は著しく進歩を遂げ、飢饉は逃れ、生涯を島の開拓に費やしたとされている。


開拓に成功して島に村が出来たとき、役目を終えたその者は、村から一人求導師を選出。あの世と常世の架け橋となることを定め、常世を去った。


求導師は「あの世」を「冥」と名付け、冥からの使者からの教えを紡ぐべく、神として祀り上げ、自身も次代に求導師を継がせていった。



これらが伝説となるまで時は流れ、この教えは想冥導と名付けられる。


求導師は、我々島民は降臨せし神からの祝福を受けた特別な存在であると説く。

冥より現れし神から愛され、その神を信仰する者だけが、生命を紡ぐ資格がある。

我々島民はこの教えを胸に、生命を次代へと受け継ぐのは義務である。



島外より来たれし賊徒は祝福を拒み、褪世島の生命を絶つ邪教徒である。

祝福を受け入れ、神に愛された我々のみが生命を紡ぐべきであり、邪教徒に紡ぐ生命は無いものである。


生命を守るため、邪教徒は全て冥に送るべし。



冥ヨリ現レシ者、島ノ生命紡ギ、褪世ニ安寧ヲ齎サン


冥信ズ者、神ヨリ祝福授カリテ、褪世ノ生命紡ガン


心ニ冥ナキ者、神ヨリノ祝福ヲ拒ミ、褪世ノ生命断テリ


冥心ニアル者、邪教ノ徒ヲ粛清セシ、褪世ヲ守護リユカン」

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