SとSの反発
ぐだぐだです…突っ込みたいところがあるかもしれませんorz
あ、SとSの反発というのは、まぁ磁石みたいなものです←
夜の繁華街をぶらついていた。特に目的もなく、ただこの目のチカチカする道を歩いていた。
とうとう目が限界だと脳に訴え、私は裏道の方へ入っていった。
「やめて下さいっ…!」
本当にあるんだ、こんなの。声を上げたのは、可愛らしい女の子。女の子が、男に裏地に連れ込まれたようだ。
女の子は、私がここに来た途端私の存在に気づき、私を見て助けを求めた。ということは。助けろってこと?
でも、いかにもか弱そうだし…いっか。助けてあげよう。
なんて、暗くてよく見えないくせに勝手に判断。そして男の腕を掴んだ。
「何してんの?オニイサン」
ひとまず、微笑んであげた。
―――サービス終了。
思いっきり、男の股間を蹴ってやった。男は、声にならない悲鳴をあげて去っていった。
「…ショボ男。女に負けるような男が女裏道連れ込んじゃねぇよ」
言いたいことを呟き、女の子に目を移した。
なるほど、襲われるだけのことはある。美少女、そして可愛い。私は、不覚にもその子に見とれてしまった。
そして気を取り直し、女の子に話し掛けた。
「大丈夫?」
「…はい…」
「そう。じゃあ、気をつけてね。あ、繁華街まで一緒に行く?それとも、家まで送…」
「あのさぁ。あんたも女でしょ?」
「はっ?」
………。さっきまでの可愛くか弱い姿はどこへ…
声も低くなり、それより一番気になったことは…
さっきまで長かった髪の毛が、短くなっている。ショート?
「女が男を送るなんて前代未聞~。俺送るよ」
ニコっと笑った顔は、やっぱり可愛かったと思う。でも、「男」とか「俺」とか言った!!つまり…女装でもしていたというのだろうか?
「聞こえてる?」
「ぅひゃっ」
耳元で言うから…変な声を出してしまった。
「な…なななな…んで…カツラ…お、女物の服…」
「あ~…罰ゲームだよ」
罰ゲーム…私は、それを聞いてもほぇ~と意味不明な声しか出せなかった。
ふと、疑問点がよぎった。
「でも…それなら、さっき男に襲われかけてた時…振り払えたんじゃ…」
そう言うと、彼女…いや、彼は、ああ~とわざとらしく言った。そして、私を真っ直ぐにみて言った。
「あんたがいたから。あんたに構ってほしかったから」
言葉が出なかった。
どういう意味だろう。なんて、そんなことばかりがぐるぐると頭の中で回る。
夜の繁華街は相変わらず派手で、輝いていて…なんて、関係ないものばかりが思い浮かぶ。
「あんたが裏道に入ってきたとき、俺と目ぇ合ったでしょ?あんたの顔が好みだったから、どんな反応するかなーって思って。仕掛けてみちゃった」
「みちゃった」じゃないだろ…なんて突っ込みも言えず、ただだんまりとしていた。
「最初はさぁ…ちょっと遊びのつもりだったんだよね。けど、あんた男っ気満載。強気だし、美人。だからね、俺あんたに惚れちゃった?的な」
さっきから、「~しちゃった」多いな、なんて思いつつ。今私の脳に存在するのは、彼だけだった。
そして、その美少年は私にどんどん近づいてくる。
あ、ヤバ。
心臓が…ヤバい。
「俺、あんたみたいな気ぃ強い女を服従させたくなるんだよね…てことで、俺の女になって。」
そこは普通、同意を求めるために疑問系だろ。と、こんな状況でも突っ込みを入れたくなる。けど…彼の美しく妖しい微笑みからは逃げられなかった。
しかし、拒みに拒みまくった。
「い…いやです。大体、私のこと何も知らないくせに…」
「ん?なんか言った?梅桃女学院2年A組中村凛サン?」
「なっ…なんで知って…っ」
うろたえる私を嘲笑しやがった。初対面だけど、殴ってやりたい。
「さぁね?さ、知ってるからもういいでしょ。いい加減俺をなぐさ」
「ぎゃー!言うなっ!それ以上言うなー!!それに、私はあんたなんか知らない!」
「栗原学園1年C組竹林光。凛の学校の隣の…男子校じゃん」
堂々と呼び捨てしたね、コイツ。
「はっ!?年下!?…じゃなくてっ!そういう知る、じゃないのっ!とにかく、付き合うとか無理っ!」
私がそこで大袈裟に溜息をついてみると、彼が私の顎を掴んで彼の方に向かせた。
不覚にも、彼の瞳に吸い込まれそうになった。
「じゃあ、凛を振り向かせる。だから、俺のこと見て?」
その時の顔がとても切なげに見えたから、私は思わず「わかった」と返してしまった。
そうして見ている内に、やがて彼を好きになり。想いを告げたときに、えらそうに「そんなに好きなんだ?」と言われたから不意打ちでまわし蹴りしてやった。
…円満に付き合えるのは、もうちょっと先のようだ。