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レベル0 ロビー

目が覚めるとそこには不思議な光景が広がっていた。


「なんだよ…ここ」


そこは古くて湿ったカーペットの匂いと、黄色をしたコンクリート壁、バチバチと音のなる不気味な蛍光灯があった。

身体のどこにも違和感がない、先程落ちてきたと思われる天井を見てみるが、穴なんてものはない。


「そういえば…健二は!?」


俺は一緒に落ちてきた親友を探していた。幸いな事に健二はすぐ俺の横で気を失っていた。俺は健二の頬を叩きながら


「おい!健二!しっかりしろ!」


「ん?おぉ…?ここ…は?」


俺は健二が無事に目を覚ましていた事にほっとした。

一旦状況を整理しよう。俺は健二と一緒に走って通学していた。なんのたわいもない日常だったはずだ。だがその後頭痛がし、偶然かもしれないが暴走車の回避が出来ていた。しかしとても信じられないが下半身が道路に埋まり、それからこの不気味な空間に辿り着いた。


「ったく、訳わかんねぇよ…ほんとに」


「マジで一体何が起きたんだ?」


「さぁな、とりあえずこんな不気味な所には居られねぇよ、さっさとこっから出ようぜ」


「でもどうやって?」


「ひとまず進んでみよう、歩いてれば出口があるはずだ」


そうして訳も分からないまま、俺たちは先へ歩いてみた。


「そうだ!スマホのGPSで何とかなるかもしんねぇ」


そう思い俺はスマホを取り出した、幸いなことに電波は弱いがネットは使えた。


「っしゃ!おい健二、スマホ使えるぞ!これで何とかして出れるんじゃね」


「いやぁ俺もそう思ってスマホ何となく見てたんだけどよ、GPSがさっきからおかしいんだ」


「GPSがおかしい?どういうことだ?」


健二からそう言われ、俺はマップを開いてみた。スマホに表示された現在位置が色んなとこにテレポートをしていた。


「なんだよコレ、全くGPSが機能してねぇじゃねぇか」


「これじゃちっとも役に立たねぇな、でも検索はできるみてぇだぜ」


「ネットでこの空間についてダメ元で調べてみようぜ」


もしかしたらなにか分かるかもしれない、そう思って検索しようとした最中だった。


「おい、聡、なにか足音がするぞ…」


「足音…?もしかしたら人かもしんねぇ、会いに行こうぜ!」


「待て聡、人の足音には聞こえねぇぞ…なにか金属の擦れる音が聞こえる」


「なんだって?」


健二からそう言われ俺が耳を澄ませようとした直後、先程曲がってきた曲がり角に3、4メートルの高さをした金属製の怪物にあった。その怪物の手にはハサミや包丁、概ね人間の命を刈り取るのに十分な獲物を手にしていた。


「な、なぁ健二、俺の目が確かなら近くにてかてかした怪物がこっちを見てる気がするんだが…」


「あ、あぁ奇遇だな、俺もそんな怪物が俺たちの方向を見てる気がする」


「これって不味いんじゃねぇの?」


「も、もしかしたら友好的なモンスターかもしれねぇぞ」


「なぁ、もしそれが本当ならなんで構えてるんだ?」


「そうだよなそんな筈ねぇよな。聡、足の準備はいいか?」


「勿論だ、こういうのに会った場合ゲームで物資の揃ってない序盤だったら…」


「逃げるが勝ちだ!!」


そう俺らが踵を返して全力疾走をすると同時に金属の怪物も金切り声を出しながら俺らを猛スピードで向かってきた


―――――――――――――――――――――――――


「聡ゥ!!バックの中身を捨てろ!、とりあえず今は少しでも早く走れるように急いで捨てろ!」


「はぁ、はぁ、全力疾走で走りながらそんな器用な真似出来るかぁ!やるしかねぇけど!」


俺と健二は絶賛怪物とチェイス中だった。

怪物の足はそれほど早くはなく、俺たちより少し遅いぐらいだった。

現在俺たちの荷物はスマホ、モバイルバッテリー、そしてバックパックだけだった。バックの中に入っていた教科書や漫画は怪物とのチェイス中に全て捨てている最中だった。


「ったく!どこが出口が全く分かってねぇのにあんな怪物と出会うなんてな!」


「でもよ!なんだがホラーゲームみたいでちょっとワクワクしてしまう自分が居るんだわァ!」


「お前!どこまで頭残念なんだよ!そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ!」


健二はそんな馬鹿な事を言いながらその顔はとてつもなく恐怖で強ばっていた。


「あぁ!!!畜生畜生畜生!!!出口はねぇのか!出口は!」


「おい聡!あそこに穴があるぞ!」


「穴だってぇ!?そんなもの今まで逃げる途中にあっただろうが!」


「あの穴、まあ道にもあった穴もそうだが、なんだがここから逃げれる気がするんだよ!」


健二はそんな恐ろしい事を口にした。確かに穴はここまで逃げる最中にもあったがどれも先が真っ暗で見えなかった。

あんな穴に落ちるなんて正気の沙汰じゃない


「そんな怖ぇ事出来るかよ!」


「でもそれしか方法ねぇだろうがよ!こんだけ走りまわってあったのがこの落とし穴だ!ならもうこれしかここから出れる方法はねぇと思う!」


「畜生!本当にそれしかねぇのか!」


そんな話をしているとあの怪物がすぐ近くにまで迫っていた。


「行くぞ聡!いっせーのでだ!いっせーのでで行くぞ!」


「わっわかった!い、行くぞ!いっせー…」


「どりゃあ!!!!」


「ぬわあぁああ!」


健二はいっせーのでの約束を破りそうそうに俺を道連れに飛び降りた!


「いっせーのでって言ったじゃねぇかァァァ!!!」


俺の虚しい叫びは俺たちと共に混沌の闇に呑み込まれて行った

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