2.転校生
「はんなちゃん!?」
「どっ、どっ、どっ、とうしてここにいるんだよ。」
「えっとねー、会いにきたんだよ。 たっくんに。」
会いに来たって!?
いったい、どういうことだ。
急に俺の前から居なくなったと思ったら、今度はいったいなんなんだ。突然戻って来たっていうのか?
とにかく、とにかくひとまず冷静になるんだ俺。考えるんだ、考えるんだ。問題点はそこじゃない。今の現状を分析するんだ。
問題点1、なぜ俺の部屋にいるんだ。
問題点2、本当に、はんなちゃんか?
問題点3、なぜ下着姿なんだ!! ここだっ!!最も気にするべきところは!!
いったい、何が起こったんだ。昨日は何もなかったはず......。
くぅぅぅぅーー、女性の胸で窒息死だってぇー!?。触ったこともないのに。
俺っだて健全な高校男児だっつうのー、ばかやろうぉー。
「ねぇ、たっくん......。」
「ガチャ......。」
「たくぅー」
母さんだ......。
「あら、やっとお目覚めのようね。お二人さん。」
「朝ごはんできてるから、下に降りて来なさい。ムフフッ」
少しずつ状況がわかってきた。この容姿、この話し方。だいぶ大人になったが、この子はハンナに間違いない。
ってか服着ろ!!
「それにしても、はんなちゃん!大きくなったわね!」
「おばさん、驚いちゃった。」
「全然ですよー。同年代の子に比べたら、すっごくちっちゃいんですよ、私。」
「私の知っているはんなちゃんは、こぉーんなちっちゃかったんだから。あははははっ」
「そうだわぁ、たくぅ」
「はんなちゃん、今日から私たちと一緒にここで暮らすからね。学校もあなたと同じよ」
えぇーーーーー。あまりに突然すぎて頭がもうついていかないよ。
いつも母さんはそうだ。相談なしに、なんでも決めてしまうんだから。
「たっくん、私さき、行ってるね。先生に呼ばれてるんだ」
「おぅ、気をつけてな」
「おお、たくっ、おっはよーー」
「春休みも終わって、ついに俺たちも2年だな。」
「そういえばさぁ、転入生がいるらしいぜ。なんかさぁ、超絶可愛いいらしい......。」
「ああ、知ってるよ...。」
「はーい、みんな席につけー。そして、男子よろこべー。」
「女子の転入生だー。どうぞ、入って。」
「おおー、きたー、かわゆすー」
「ちっちゃーい」
「初めまして、薦田はんなと言います。家庭の事情でこちらの学校に転入することになりました。みなさん、仲良くしてください。」
「するするー」
「でぇー、そうだな。神田の知り合いだったよなー。隣がちょうど空いているから、神田の隣に行ってくれ。」
「神田ー。いろいろ頼んだぞー。」
「わかりましたー。」
「よろしくね、たっくん。」
神田くん.......、あんなに可愛いこと知り合いだったんだ......。
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