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告白大行列!④

「お初にお目にかかります、レオナード国王陛下、シュタイン公爵令嬢」



 まず初めに部屋に入ってきたのは、キラキラとした豪華な衣装に身を包み、でっぷりと太った……黄金の豚さんたち、5人組。

 はっ、いけない、いけないわ、ツェツィーリエ! この言葉は私にとっての特大ブーメランだわ! 彼らを見た途端、スっと頭の中に浮かんでしまった侮辱の言葉を、私は必死で打ち消す。



「ここまでご苦労だった。楽にしてくれ」


「お会いできて嬉しいですわ」


「はっ! では、お言葉に甘えさせて頂きたく存じます」



 代表の1人が私達と挨拶を交わす。彼らは殊勝で従順な振りをしているが、私は見逃さなかった。レオンを見る彼らの目に、嘲りの色が浮かんでいたのを。私の愛するレオンを馬鹿にした彼らを、さて、どう料理してあげようかしら……?




 そして、数分後。



「……それでね、レオンったら私の膝枕を強請ってくる時が最高に可愛いのよ! あ、でもその姿は皆に見せるのは勿体ないから私だけの特権にしたいの。でも、皆にもこの可愛いレオンを見て欲しいから、悩ましいところではあるのよねぇ……」



 ほぅ……と悩ましくため息をつく私に、黄金の豚さんチームの代表者は、今が好機とばかりに私たちに発言し。



「シュ、シュタイン公爵令嬢のお気持ちは充分に分かりました! 私達一同、レオナード陛下とシュタイン公爵令嬢の末永い幸せを祈っております! 」



 私達の幸せを祈る言葉を述べると、逃げるように立ち去って行った。



「あらぁ、レオンのどこが好きなのか聞いたのはあちらですのに……。まだレオンの魅力の10分の1も伝えられてませんのに、行ってしまわれましたわ、残念です。ねぇ、レオン? って、レオン!? どうされましたの? 」



 レオンに同意を求めようと、横を向いた途端驚いた。レオンが、リンゴのように真っ赤な顔をし、目を手で隠して天を仰ぐように、だらりとソファーにもたれかかっていたからだ。



「侍医を、侍医を呼ばなくては……! 」



 あまりの事にあたふたと慌てる私の手を、レオンはギュッと握り。



「だ、大丈夫だ、ツェリ。直に治る」


「でもレオン!貴方手まで真っ赤ではありませんか! やはり侍医を……」


「……………だけだ」


「聞こえませんでしたわ、もう一度お願いできますか? 」



 私の言葉に、レオンはグゥ……と喉を鳴らすような声を発した後。



「ツェリの想いを知って照れているだけだ。侍医を呼ぶ必要は無い」


「まぁ………! 」



 なんて可愛いのレオンってば!! やはり、この可愛くて格好良くて素敵すぎるレオンの魅力を、皆にも分かっていただかなくては!


 ツェツィーリエのその決意と共に(ツェツィーリエの惚気に耐える)戦いは、激しさを増していくのだった。

お読み下さりありがとうございます。

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