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告白大行列!③

 レオン達4人が考えた計画は、実際に私から説明させて納得してもらおうという、ある意味大胆な計画だった。


 大々的に発表するのは、私がレオンに強制されたのではないかと思われ、逆に反感を買う恐れがあるし、それなら私の口から1人ずつ説明してもらおう!という結論に至ったらしい。



「ツェリには大きな負担をかける事になるが、了承してくれるだろうか……? 」



 不安げな顔で見つめてくるレオンに、私は少し思案し、とある事を提案した。レオンはその言葉に驚きながらも、『ツェリは流石だな』と笑ったのだった。





【国王レオナルド陛下とツェツィーリエ公爵令嬢との婚約に不満のある者は、名乗り出てシュタイン公爵令嬢と会う事を許可する。それは貴賎を問わず全ての国民が得られる権利とし、名乗り出たからといって罪に問われる事はない。日時については……】



 上記のような説明が小難しく書かれた公布が出た途端、その事は民の間に一気に広まった。人々の関心はその事に集中し、ツェツィーリエに直接会えることに喜ぶ者、本当に名乗り出ても罰せられる事はないのか半信半疑の者など、様々な思いを民に与えた。




 そして、当日。



「うわぁ……。流石ですねツェツィーリエ様、外見てくださいよ、物凄い数の行列だ」


 クローヴィアが若干引き気味に呟く。


「想像以上だったわ。でもこれだけの人数が集まって、何か揉め事は起こったりしないのかしら? 」



 不安げな顔をしていたのだろう私に、レオンは安心させるように微笑んだ。



「大丈夫だ。この規模の人数が集まることは予想済みだからな。当然今日一日だけでは当然全ての者に会うのは無理だが、ツェリはお祖母様に頼んで、王妃教育はしばらく休みにしてもらっていただろう?それに、あの行列を監視する騎士も配置してある。少しでも不審な動きをした者も捕えられるようになっている。だからツェリは安心するがいい」


「そうですね。警備体制は万全ですし、一定の人数を選別した後、今日中に無理だと思った方々には後日来ていただく形になっています。その為の整理券も配布しておりますし、揉め事を起こした者はツェツィーリエ様に会えなくなると聞いて、民たちも規律を守っているようです」


「皆、それだけツェツィーリエ様に会いたいってことだと思う。流石だ」



 レオンの言葉に、リーフェルトがさらに詳しく状況を説明し、ルードルフがどこか尊敬したような眼差しで私の事を見る。



「そんなに人気になるような事をした覚えはないのだけれど……」


「「「「いや、その美貌だけで充分だ(でしょう) 」」」」


「えぇ? 」



 自分の事を認められるようになったとはいえ、やはり自身が美人であるという自覚が薄い私は、困惑の声をあげた。


 そして、これからの日々が戦いになる事を、私はまだ知らない。だが、戦いの火蓋は知らぬうちに切られていたのだった。

お読み下さりありがとうございました。

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