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とある平日。
「ただいまー」と玄関の鍵を開け、仕事から帰った富田。かなりお疲れの様子。
「おかおかー。今日は遅かったねえ」
寝転がりながら漫画を読んでいる林原。
「そうなんだよー。ハヤシー飯食った?」
「もう食べたよ。これでも女子ですたい。深夜にご飯は食べないの!」
「ほーん。お菓子は?」
「お菓子はセーフ」
「アウトだろ」
アウトです。
「あ、今日は餃子焼いたのが残っとるよー」
「まじか助かる」
「王将の餃子だから美味しさは保証する」
「そりゃ美味えわ」
そりゃ美味い。
「いただきまーす」
「どーぞ」
「ハヤシーは今日仕事どうだったん」
「いつも通り順調よ」
「いいなあホワイト会社は」
「まっしろしろすけだからねー。本当に運が良かったよ」
「あー餃子うまいー」
「美味しいよねー」
「今度休みいつ?」
「土日は普通に休みだよ」
「そっか。じゃあ飯食いに行こうぜ」
「お! いいじゃん。何食べよっか」
漫画を置いてスマホを手に取る林田。ウキウキの様子。
「うーん。そうだな。肉食いに行こう」
「いいね! 肉! 久々だわー。ステーキでいいよね?」
「うん。がっつりいきたいな」
「ちょっと前から気になってた店があるんよ。肉の上にラクレットチーズをたーぷりかけるんだって」
「何だその究極超合体みたいな料理は行こう」
「あ、せっかく出かけるんだったら、映画も見に行かない?」
「いいね? 見たい映画ってまさか?」
ワシはわかったぞといった様子の富田。
「そう!「「スパイダーバース 」」
「いやーめっちゃ楽しみにしてたんだよねえ」
「ハヤシースパイダーマンめっちゃ好きだもんな。結婚したい男はスパダーマンとかほざいてたもんな。笑」
「だってめっちゃかっこよくない?!」
「カッコイイバリかっこいい」
「だしょ?」
「おん。じゃあ予約しとくなー」
「ありがとー。じゃあお風呂沸かしとくね。」
「センキュー。食い終わったら入るわー」
「はーい。あたし明日も早いから寝るね。おやすー」
「おっすー。おやすみー」
林原が自室に戻っていく、時計を見ると時刻は12時半を回ったところ。
「うわ。もうこんな時間か。ハヤシーも明日6時起きなのに悪いことしちゃったな。今度から遅くなる時は絶対ラインしよ」
もぐもぐと最後の餃子を口に運ぶ富田であった。