伏せ目がちな彼
俺は、なぜここにいるんだろう。
そこは海の目の前、足ににわかに水しぶきが当たって冷たい。
静かに佇む月の光が優しいから、少し泣けてきた。
後ろの並んだ家の人たちが俺のことを見てるかもしれない、そう思うと恥ずかしい。
「...もう帰ろう、ここにいても意味ないよ。」
そう自分に言い聞かせた声だけが誰もいない海へ響き渡る。
恥ずかしい。
俺は昔から変わっていた。学校ではいつも1人だったし、今更誰かとつるむ気にもなれなかったから暇な時間をただひたすら寝ていた。
これで運動もできて、勉強もできたなら格好のいい一匹狼でいれたのかもしれないが、そんなことできるはずもなく。ただ"さえないボッチの男の子"としてクラスメイトには贔屓もされていた。
そんな俺にも好きな子がいた。
クラスの人気者みんなに優しくて真面目で、人によって態度を変えない子だった。最初その子のことはきらいだった。何したんだよって、どうせ裏があるんだろ?そう思っていたけどある日




