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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第4章 ガルディア王国前編
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98 敵襲

 マリアを乗せた馬車は森の中をひたすら突き進んだ。進むにつれて道は徐々に悪くなり、馬車の揺れも激しくなっていく。

 どれくらい進んだのだろうか、突然、ブラックの遠吠えが森林を支配していた静寂な空気を切り裂いた。それは木々の間を吹き抜ける風のように響きわたり、ルーファスたちに緊張が走る。

 ブラックは鋭い歯をむき出しにして見えない敵を威嚇した。ルーファスとデリシーも油断なく剣を構える。


 すると、暗がりから滲み出るように野盗たちが姿を現した。野盗たちは皆、揃いの灰色の覆面をしている。数はざっと20人くらいだろうか。

 しばらくルーファスたちと睨みあった後、リーダーらしき男が無言で手をあげた。それを合図に野盗たちは、明確な殺意をもってルーファスたちに襲いかかる。


 無言で襲うということは、つまり最初から(ルーファス)を殺して、馬車と(デリシー)は奪うつもりらしい。

 ルーファスにとって、自分に攻撃が集中することは非常に都合が良かった。デリシーはかなり強いが、それでもルーファスには到底及ばない。彼にはすべての敵を一撃で葬り去る自信があった。


 一方でマリアは、戦いが始まったことを気配で知った。馬車の中でも激しい戦いの様子が伝わってくる。武器のぶつかる音、男たちの怒号や断末魔が辺りに響いて、幌には幾筋もの鮮血が飛び散った。


 マリアは恐怖に震えながら約束通り馬車の中でじっとしていた。彼女は2人が無事でいられるようにと、ひたすら祈り続けた。

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