表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第4章 ガルディア王国前編
96/295

95 不安な夜

 旅人の小屋で飲料水の補給等を終えたマリアたちは、その近くで野宿をすることにした。簡単な夕食を済ませて焚き火を囲むが、なんとなく皆口数が少ない。先程管理人から聞いた野盗の話がそうさせるのだろう。


 そのときデリシーが突然、お気に入りの酒を片手に立ち上がった。


「私、ちょっと小屋で一緒に飲む相手を探してくるわ」

「こんな時間に1人で大丈夫ですか……?」


 思わず立ち上がって止めたマリアの心配をよそに、デリシーは気楽な様子で酒瓶を見せびらかした。


「この先は何があるかわからない危険な道なんだから、今夜は楽しんで来ないとね」


 デリシーも明るく振る舞ってはいるが、彼女なりに不安なのかもしれない。それでも心配なマリアは、隣にいるルーファスの様子をうかがった。


「デリシーさんを止めなくていいの? 女性だし、もし何かあったら……」

「小屋まではすぐ近くだし、デリシーだってそれくらい(わきま)えている。自由にさせてやれ」


 デリシーが去った後、無言の時間が続き、気まずくなったマリアはルーファスから少し離れたところに座った。なんだか今の彼には近づき難い雰囲気があった。焚き火のはぜる音だけが響き、揺らめく炎が、物思いに沈む彼の顔に陰を落としている。闇に炎が滲む中、ルーファスが突然マリアを呼んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ