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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第4章 ガルディア王国前編
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76 剥き出しの敵意

 ルーファスはデリシーの腕をさりげなく外し、マリアの隣に座り直した。


「マリア、ガルディア王国は治安が悪い。これからデリシーに、ガルディア王国の王都シュバルツまでついてきてもらう。ちょうどデリシーも王都に用事があるらしい」


 ガルディア王国の王都シュバルツは、ガルディア王国の中央にある巨大な湖の南西にある。そこまで一緒に行くとなれば、ガルディア王国での旅の約3分の2はデリシーが同行することになる。


「デリシーは剣も弓も使えるし、そこらへんの男よりも強い。マリアにとっても同性がいた方が、困ったときに相談しやすいこともあるだろう」


 デリシーの女性に似つかわしくないゴツゴツした手は、武器を扱っているためなのだとマリアは納得した。


「デリシーさん、これからよろしくお願いします」


 マリアが頭を下げたときだった。


「マリアちゃんは戦えなくて、馬車の中で守られているだけなんしょ?」


 デリシーは剥き出しの敵意をマリアに向けた。マリアはそれだけで激しく動揺してしまう。不安に怯える彼女を見て、ルーファスはすかさず(かば)ってくれた。


「デリシー! 悪意のある言い方をやめろ」

「でも、その通りだから……。武器はもったこともありません。ご迷惑をおかけします」


 マリアは自分の無力さを突きつけられ、泣きたくなる気持ちを抑えてそう答えた。事実だったから認めるしかなかった。


 デリシーは、マリアを庇ったルーファスを面白くなさそうに睨んだ後、更にマリアに追い打ちをかける。


「マリアちゃん、あなたは目立つのよ。戦えもしないのにそんな目立つなんて、私たちからしたら良い迷惑だわ」


 そしてマリアにある要求をした。


「その長い髪の毛を切って、男の子の格好をしてちょうだい」

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