表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第3章 アストリア王国編
59/295

58 必ず2人で

 マリアは自分が泣いていることに、なかなか気がつかなかった。ルーファスが彼女の涙を優しく拭ってくれたので、ようやく自分が泣いていたことを自覚した。


「ごめんなさい……泣いてしまって……。私、これから頑張るから……だから今だけ……」


 泣いてしまったことでルーファスを困らせてしまうのが申し訳なくて、マリアは賢明に言葉を紡ぐ。言い訳染みていると自分でも思うけれど、涙は止めどなくマリアの白い頬を濡らしていった。


 マリアはルーファスの手を離し、弱すぎる自分を隠すように彼と距離をとろうとする。しかし、気がついたときには、マリアは彼の温もりに包まれていた。ルーファスはマリアをあやすように抱きしめてくれる。


「大丈夫だ、マリア……。俺は必ず2人で、また戻ってくるつもりでいるから」

「うん……」

「泣きたいだけ泣けばいい」


 ルーファスはいつまでマリアに付き合ってくれるのだろうか。「2人で戻ってくる」という言葉を、マリアは信じたいのに、信じてしまうのが怖かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ