43 お仕置き
R15
「そんなことを気軽に言うものじゃない。意味をわかって言っているのか?」
「だって、それしか方法がないんだもの」
ルーファスはマリアを説得するのは難しいと思った。そもそも彼女は、一緒に寝るということが何を意味するのか、ほとんどわかっていない。
子どものときの添い寝と同じ感覚なんだろうか。この際はっきりと教えた方が良いかもしれない、とルーファスは考えた。
「マリアが言っているのは、こういうことだ」
そう言うと、ルーファスはマリアを、普段の彼からは考えられない乱暴さでベッドに押し倒した。
もちろんかなり手加減はしているが、普段からルーファスに甘やかされているマリアにはそんなことはわからない。彼女は豹変したルーファスに驚いて、慌てて起き上がろうとした。
しかし、それをルーファスは片手で簡単に封じ、そのままマリアの両手をベッドの上に縫い付けた。混乱のあまり、彼女の瞳が涙で潤んでいく。
ルーファスはベッドに沈むマリアの上にまたがり、「お仕置きだ」と言って、彼女の細い首筋に強く口づけた。
「……ん」
マリアの口から甘い吐息が漏れて、その声で彼の理性は飛びそうになる。ルーファスはゆっくりと時間をかけて、彼女の身体の至るところに、いくつもの赤い痕をつけていった。
清らかなマリアが自分の下で乱れるさまは、ルーファスの征服欲をかき立てる。彼女の柔らかな肌も、甘ったるい啼き声もすべてが彼の欲望を昂らせて仕方がなかった。
しかし、まだマリアのすべてを奪うわけにはいかない。ルーファスは彼女の耳もとに顔を近づけ、色気の滲むかすれた声で囁いた。
「ここまでやれば、これから先どうなるか、わかるよな……?」
マリアが理解したのを確認して、ルーファスはすぐに身体を離した。マリアを抱き起こし、すっかり動転した彼女の背中を優しく撫でる。
「怖かったか……?」
ルーファスが尋ねると、マリアは首を横に振り、そのまま彼の胸に顔を埋めた。
その後も落ち着くまで背中を撫で、抱きしめていたが、マリアがいつまでもしがみついて離れないので、彼女の様子を見ると安心したような顔で眠っていた。
「……結局わかってないだろ」
マリアが普段の彼女からは信じられないほど強く、ルーファスにしがみついていたので、2人は結局同じベッドで寝ることになってしまった。




