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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第6章 ガルディア王国後編
240/295

239 道中の会話(最後の街オレイユまで)3

R15です(笑)

「エドは王女様の近衛騎士なのよね? 卒業して間もないはずなのに、こうして他国にまで随行を許されるなんて、本当にすごいわ」

「ああ、実は俺、王女殿下の超音波攻撃に耐えられる唯一の騎士なんだ。だから卒業してすぐに、この仕事に就かされたんだよ」


 いくら王女が極めて灰汁(あく)の強い人物で、人事が困難だからといっても、卒業してすぐの新米騎士が抜擢されるとは、(にわか)には信じがたい話である。


「そういう試験があったの?」

「たまたまだよ。王女殿下が王立騎士学校の卒業式で来賓としてみえたときに、ちょっとしたことで揉めて、超音波攻撃が発動したんだ。皆が崩れ落ちる中、俺だけが平気だったから、そこを見込まれて、あれやこれやと今に至ってる」

「そういうことだったのね。……でも、こうしてまた会えたのだから、王女様には感謝しないとね」


 胸を張るエドの前では、まだルーファスとイザークが静かにやりやっているのが見えた。マリアたちはそちらに耳を傾ける。


「君たちの馬車を宿から移動させたり、貴族街の地図を見せてやったり、ああ、ルシタニア王国への2人分の通行証も手配してやったな」

「…………」

「君たちを足止めするつもりない。一緒にいる間に動きがなければ、そのまま出発してくれればいい」

「それなら、まぁ、わかりました」


 ルーファスは足止めされないことを知り、そこでようやく了解したようだった。


「ありがとう。うちに泊まったときは、また昨日のあの部屋を使えば良い。いつもは義兄上が恋人との逢瀬に利用していたんだ。天蓋つきのベッドでとても良かっただろう? 女性は喜ぶんだ」

「……どうも」


 イザークの茶化すような提案を、ルーファスは適当にあしらった。マリアはその話から、王太子が部屋を間違えた理由を悟ったが、横から「マ、マ、マ、マ、マ」と変な声が聞こえてきた。

 声の方に視線を向けると、エドが顔を赤らめて鯉のように口をパクパクさせている。


「エド?」

「マ、マ、マリアぁぁ……!」

「なぁに?」


 エドはごくりと唾を飲み込んだ。


「お前……昨日、ルーファスさんと寝たのか?」

「……? ええ、そうよ」

「ま、まじか……」

「旅の最初の夜から同じお部屋よ」


 エドの中でもくもくと、あんなことやこんなことをするマリアとルーファスの映像が浮かぶ。しかも旅の最初から同衾(どうきん)していたとなれば、マリアはルーファスから愛の手ほどきを受けてしまったに違いない。それはもう、色々と。


(マリアとルーファスさんが、既にそこまでの仲だったなんて……。結婚までは純潔を守る女だと思ってた……!)


 エドはマリアの乱れる姿を想像すると、ある一点に血流が集まってしまう。彼は何かにじっと耐えながら、一気に押し寄せる不安と戦わなければならなかった。


(マリアがもう経験済みで……俺よりも……経験豊富とか、なんかショックだ……。婚約破棄できるのか……できたとしても、俺に満足させられるのか……!)


 エドが泣きそうな顔で馬に揺られているのを、マリアは不思議そうな顔で眺めていた。

マリアは最後までは、まだいたしておりません。それに近いことはしてるけど(;゜゜)

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