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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第5章 王都シュバルツ編
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187 解放の指示

 今まで迎えに来られなかったルーファスが、わずか3日でマリアの前に現れるとは思えない。そうなれば3日後に侯爵が彼女を送ってくれる可能性の方が高そうだが、そこで問題になるのは、ルーファスの現在の居場所がわからないことだった。


「ルーファスは今、何かとても大変なことに巻き込まれてしまったんだと思います。そうじゃなかったら、きっともう私のことを迎えに来てくれているはずだから……。それに……そもそもルーファスが今どこにいるかもわかりません。侯爵様は、私と一緒に、ルーファスを探してくださるということですか?」


 ルーファスはアストリア騎士団内の何らかの事件もしくは事故に関する事情聴取のため、どこかに連れていかれてしまった。そういった場合に連れていかれるのはどういう場所なのか、マリアには見当もつかない。

 また、侯爵にイザークのところまで送ってもらうという手もあるが、その場合も、結局マリアはルーファスの行方を(さぐ)らなければならないだろう。


 侯爵はルーファスと話がしたいと言っているし、叔父のマレーリーとともにアストリア騎士団に関する仕事に就いている侯爵なら、もしかしてルーファスが連れていかれた場所に心当たりがあるのかもしれないと、期待を込めて打ち明けたのだった。


 侯爵はマリアの曇りのない瞳に若干の罪悪感を覚えたが、今さら善人ぶる必要もあるまいと、あくまでも通常のトーンで答えた。


「ルーファスは私が解放させるから、問題ない」

「……え? ……今なんて?」

「だから、解放させるから何の問題もないと言っている。解放後はそれほど時間を置かずに、ここを見つけられるはずだ」

「解放、させる……? って、まさか……」

「ルーファスを捕らえさせたのは私だ。今から解放させるように指示を出そう」


 しれっとした態度で侯爵は告げ、文机から便箋を出すと、どこかに手紙を書き始めた。あまりに突然の爆弾投下に、マリアは反応することすらできなかった。

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