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没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第5章 王都シュバルツ編
182/295

181 決行の日

 穏やかな昼下がり、今日もマリアは看病のために侯爵の部屋を訪れていた。天候に似合わず、彼女の心がざわついているのは、今日がいよいよ脱出計画を決行する日だからだ。先行きが不安な彼女は、とてもじゃないが看病に身が入らない。


(この後、サクラさんと看病を交替したら、部屋の目のつくところに手紙を置いて、それからブラックと一緒に裏門から出て、その後は誰か親切そうな人に道を聞いて……)


 サクラが看病している時間帯は、コウゲツは屋敷の事務仕事、マリアは休憩時間となっている。サクラは侯爵の部屋からは出ないはずだし、昼下がりのコウゲツはよく机に向かったまま船をこいでいた。


 また、ブラックがいる場所はとうに確認済みで、裏門の鍵は内側からなら簡単に開けられて、何よりも目立たない。昨晩書いた手紙には、侯爵家を出ていくこととお世話になった感謝の気持ちを書いた。ここでの生活について、思うところがないわけでもなかったが、それは自分の心の奥底に鍵をかけてしまっておく。


 しかし肝心の侯爵家の門を出た後については、親切そうな人に道を聞くことしか決まっていなかった。それはつまり、何も決まっていないということに他ならない。


(本当に大丈夫かしら……)


 マリアは人知れず嘆息した。

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