表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第5章 王都シュバルツ編
180/295

179 役目を終えて

 マリアとコウゲツは主治医を見送った後、そのまま看病を替わった。侯爵はもはや苦悶の表情は浮かべておらず、顔色も良い。規則正しい寝息を立てて眠る彼の姿を見て、彼女はもうこれ以上侯爵家に長居をする必要はないと悟った。


 誠心誠意看病した侯爵の完治を見届けられないのは少し残念な気もするが、これから先はサクラとコウゲツの2人が、敬愛する己の主人のため頑張ってくれるはずだ。


(もう私にできることは終わったわよね? ルーファスとの約束通り、早くイザーク様のところに行かないと……)


 容態が落ち着いているため、看病と言っても特にすることもないので、彼女は気持ちを切り替えて今後のことを考えた。


 マリアは一刻も早くこの場所から立ち去るつもりでいたが、ふと思い直す。サクラとコウゲツに話を聞いてから出立しても、遅くはないのではないか、と。


(イザーク様のお屋敷の住所も、そこへ行くための貴族街への通行証も、侯爵様に燃やされてしまったわ……。でも住所は朧気(おぼろげ)には覚えてはいるから、その近くまで行けば何とかなりそうよね。そもそもこのお屋敷が貴族街にあるのなら、通行証はもう必要ないはずだし……。やっぱりサクラさんたちに、聞けることはすべて聞いてから逃げた方が良いのかも……)


 サクラとコウゲツにはもちろん逃げ出すことは内緒だ。彼らからは再三侯爵と結婚してこの屋敷に残ってほしいと口説かれているので、彼らにどれほど親しみを感じていても、さすがのマリアも警戒していた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ