おまけ マリアの病気
前回の話の別バージョンです。かなりふざけてるので、早々にボツにしました。
おまけなので、飛ばしてもストーリーにはまったく影響ありませんが、せっかく書いたので載せます…。
話の雰囲気が違うので、読むときは覚悟(?)してください……。
マリアはいつしか、ルーファスにふれたり、ふれられたりすると、頬が熱を帯び、胸がドキドキする謎の症状に見舞われるようになっていた。
一方で彼はと言えば、今でも幼いときとまったく変わらない態度を保ち続けている。
だからこそマリアは、自分の不自然な態度がルーファスにどう思われているのか不安になってしまった。
「ねぇ、ルーファス……? 最近私、変よね……?」
マリアは自分の症状を伝え、「こんな私でも嫌いにならないで」と涙目で訴える。
すると、ルーファスは至極真面目な顔でマリアに告げた。
「お嬢様……それは……同じ年頃の異性と接触するとなってしまう病気です」
「え?!」
「この病気を発症した後に異性にふれ合うと、身体に深刻な異常をきたしてしまいます。お嬢様は、小さい頃から私とはよく接していたので、私となら免疫があります。これ以上はひどくならないでしょう。……ですが、ほかの男には決してふれないようにしてください。取り返しのつかないことになりますよ」
「……う、うん。わかったわ!」
最後にルーファスは、にっこりとそれはきれいな笑顔で言った。
「……特にエドとかね……?」
なんで、エド指定なんだろうと思うマリアだったが、屋敷からほとんど出ない彼女にとっては、同年代の異性はエドだけだったので納得してしまった……。
「マリアにふれてもいいのは俺だけだ」
庇護欲をそそる小さな背中を見送り、ルーファスは独りごちる。マリアだけは渡せないと、心の中で続けながら。




