表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第5章 王都シュバルツ編
157/295

156 デリシーからの激励

R15です。そういうシーンはありません。

 食事と湯あみを終えたマリアはずっと挙動不審だった。ルーファスを待っている間も、期待と緊張でどうにかなりそうだ。


(ついに今日結ばれるのかも……。最初は痛いのよね…? でも昨日は違和感はあったけれど、痛いというよりもむしろ……)


 そこまで考えて自然と身体の奥に熱が集まるのを自覚したマリアはハッと我に返った。


(私ったら、さっきからその事ばっかり考えてて恥ずかしい……。本当に落ち着かないと……)


 マリアは気を紛らわすために、デリシーからもらった餞別を見ることにした。これからは相部屋でルーファスと常に一緒になるのだから、なかなか見る時間は作れないかもしれない。

 可愛らしいピンクの袋をトランクケースの奥から引っ張り出して、ドキドキしながら開けてみる。


(デリシーさんは何をくれたのかしら? 今度会えたらお返ししないといけないわね)


 子どものように胸を弾ませて中身を確認したマリアだったが、その中身を見た彼女は瞬時に凍りついた。そして見てはいけないものを見てしまった気がして、急いで袋の口をしめる。頬が赤らむのを止められなかった。


(これって……)


 もう一度おそるおそる中を確認すると、手紙も一緒に入っていることがわかった。


『これを着て頑張って!』


 中身は透きとおるような官能的な夜着と、ほとんど布地のない繊細なレースの下着だった。


「……こんなの、絶対に着られないわ」


 思わず口から漏れた言葉に、彼女は慌てて自分の口を押さえた。聞かれていたらどうしようと急いで背後を確認するが、ルーファスはまだ戻ってきていなかったので、ホッと胸を撫で下ろす。

 彼女は再びピンクの袋の口を絶対に開かないように丸めて、トランクケースの奥の奥にしまいこんだ。決して彼に見られてはならない。もし見られたら恥ずかしくて、それだけで死んでしまいそうだ。


(なんだか、ますます落ち着かなくなってきちゃった……どうしたらいいの……?)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ