152 翅を広げて
R15です。ぼかしたつもりです……。
「エドのことを考えているのか?」
あたたかい木漏れ日のような微笑みを浮かべるマリアに、ルーファスはさりげなく尋ねた。
「今までエドがそばにいるのが当たり前だったから、早く会いたくなってしまって……」
「あいつに会ってどうするんだ?」
「たくさん話したいこともあるし、会えるだけでもとてもうれしいと思うの。私にとって、エドは大切な存在なんだって、離れてみると改めてわかった気がして……」
一癖も二癖もある男たちに囲まれていたマリアは、エドの存在に安らぎを感じていた。彼は良き理解者であり、「親友」という言葉が1番しっくりくる相手でもある。
それでも彼女の言葉は、恋人を前にして口にして良いものではなかった。誤解を生みかねないことは容易に想像できるのに、そんな簡単なことが恋愛経験の乏しいマリアにはわからない。
だから突然ルーファスに両手首を片手でまとめあげられ、ベッドに押し倒されたときも、マリアは自分の身に何が起こったのか理解できなかった。押し倒されたときに彼女の夜着が乱れてしまい、白く柔らかな太腿があらわになったが、その乱れを調えたくても、手首を頭上で拘束されているので、まったく動けなかった。
「ルーファス……?」
彼は剣呑な光を瞳に宿し、嫉妬の滲む声でマリアの耳もとに囁く。
「ほかの男のことなんて考えられなくしてやるよ」
「待って……! あ……」
耳を食まれて、彼の熱い吐息が耳孔をくすぐる。マリアは抵抗する間もなく、練り絹のような滑らかな肌を暴かれて、この日初めて彼にすべてをさらけ出した。
マリアはさながら美しい蝶のように、その魅惑的な翅を彼の手によって容赦なく広げられた。繰り返し与えられる甘い刺激は彼女を切なく蕩けさせ、か弱く啼き続けるマリアがようやく解放してはもらえたのは、あまりの快楽に意識を失った後だった。