表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
没落令嬢は護衛騎士と旅に出ます  作者: つきのくみん
第4章 ガルディア王国前編
137/295

136 道中の会話(レーニエまで) 3

中途半端なところから、始まってごめんなさい(>_<)

「うん……」

「そんなに気を遣うくらいなら、俺から逃げるなよ?」


 ルーファスはマリアなら自分のすべてを受け止めてくれると、もうわかっていたが、冗談めかしてそう言った。しかし何でも真に受ける彼女は、知らず知らずのうちにうつむいていた顔をあげ、決意を込めてルーファスを見つめる。


「私は……あなたが今までどんな風に生きてきたとしても、あなたが今のあなたである限り大好きよ。私が必ずあなたを幸せにするから……ルーファスこそ私から逃げないでね?」


 マリアの人目も憚らない告白に、デリシーはルーファスをニヤニヤしながら見た。おとなしいのに時々大胆な言動をするマリアに、彼は毎回驚かされる。


「……ですって? 良かったわね、ルーファス」

「そうだな」


 そう言って、ルーファスはマリアの顔を眩しそうに見つめた。


 マリアの愛情はいつでもまっすぐに彼を照らしてくれるから、今でも充分に幸せだとルーファスは思う。

 誰にでも平等に向けられていたマリアの愛情が、彼にだけは、特別な熱をもって捧げられるようになったことで、彼の心は非常に満たされていた。


 母親だと思っていた女に裏切られ、この世の汚いものをすべて詰め込んだかのような、アンダーシュバルツでの淀んだ日々。

 誰も信じられなくなった彼が身に付けたのは、圧倒的な強さと相手の感情を読み取る力、そして心を凍らせる(すべ)だった。


 ルーファスは昔の絶望していた自分に教えてやりたい。愛し愛される、幸せな未来がくることを。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ